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AI:人工知能のあいまいさ

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最近、色々な人と話をしている中で、あるいは色々な記事や本を読んでいる中で、「AI:人工知能」という言葉に対する解釈が各々異なっていて違和感を感じることがあります。

「人工知能」って結局なんやねん。

この間、たまたま飲みに行ったお店の片隅に「ジャンピューター」が置いてあり、もはや骨董品の域じゃないかと思いましたが。

※年配の方には説明不要かと思いますが、「ジャンピューター」とは麻雀を題材としたアーケードゲームで、コンピューターと1対1で対戦するというもの。筆者自身、小さい頃に、喫茶店に置いてあるのを見て以来、2度目の出会い。

大体のゲーム(ここでは、TVゲームあるいはアーケードゲームの意)で、「コンピューターと対戦」なんて機能がありますが、ある程度、中級者ぐらいになれば、大抵勝てるようになります。

しかしながらここ最近、チェスや将棋のプログラムがプロのプレーヤーを負かしたという「事件」がニュースになりました。(※チェスでプロに勝った「ディープブルー」は1997年とのことなので、既に20年近く前の話ですね)

ハード性能の進化も当然ありますが、ポイントは打ち筋のロジックが変わったということ。ハードの性能向上により、そのロジックを支えることが出来るようになった、が正確ですね。

従来の将棋ソフトなんかでは、例えば、「王将が最後列にいれば○点」といったシンプルなものや、特定の駒の相対的な位置関係に応じた点数など、大量のスコアリング・ルールをプログラムに組み込んでおき、各局面に応じて、その合計スコアが最高になる手を指すようにプログラムされていました。

このスコアリング・ルールは、当然、人が設計するものであり、将棋が強い人のノウハウを抽象化したもの、と言い換えることが出来ます。これらを、ここでは「ルール・ベースド」の人工知能とします。

一方で、最近の将棋プログラムは、過去の膨大な棋譜データをコンピューターに"喰わせ"、それらを基に“学習”し、最善手を打つものとなりました。

ポイントはこれらの膨大な棋譜データから、良い局面を生み出すための「特徴」を、コンピュータ自身が判別し、導き出せることが出来るという点です。こちらが「機械学習」の人工知能。

また、機械学習においても、人間がコンピューターに教師データを与える「教師あり学習」と、「ディープラーニング」のように、自ら特徴量による判別を行う「機械なし学習」とで、区別されることも多いです。

今、「AI:人工知能」と銘打って世に出ている商品・サービスは、これら2つ(ルール・ベースドと機械学習)、あるいは3つ(ディープラーニングを区別する場合)の「AI:人工知能」が混在しており、ここで「AI:人工知能」という言葉に対する認識のギャップが生じているように見受けられます。

もう一つ誤解を招きやすいアクセントとして、「リアルタイムで瞬時に判断」なんて修飾語句がついたりすると、一気に「AI:人工知能」っぽくなったりしますよね。

自社の製品・サービスを「最先端っぽく見せる」上で、これらの言葉のあやふやさに甘んじるのはよくないことだなぁ、と最近反省しています。言葉の使い方は明確にしないと。

何よりも、ちゃんと区別するために知識が必要ですね。
まだまだ勉強が必要です。

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