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ゼロから始める構成管理の構築手法とKPI(第2回)~管理対象の構成要素の特定~

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前回はまず始めに構成管理を行っていく「目的の検討」をテーマに説明していきました。目的が決まった後は、具体的に何を管理するか決めていく段階になります。

※前回はこちら
 
Point2.管理対象の構成要素の特定~ 
まずはおさらいまでに前回の目的とKGIを記載します。
「目的:常に最新の構成情報を把握可能にする」
「KGI:5分以内に確認可能、実環境の差異件数0件」
 
今回の目的は特に構成要素を限定するようなものではない為、把握したい構成情報とは一体何かを検討していく必要があります。
 
構成要素は「What」「Who」「When」「How」を軸に検討する。
 

構成要素を特定していく上で、実施していきたいことを洗い出していくのも良いと思いますが、議論が発散しないように何を(What)、誰が(When)、何時(When)、どのような方法で (How)といったように軸を決めて検討していきましょう。以下にそれぞれの例を挙げてみます。


What:何を管理したいか(管理対象)
まずは何を管理するのかを決めていきます。何を管理するのかを決める際は、管理対象品目の特定、各品目の管理項目の検討、各品目の関連性の特定といった流れで進めていきます。最近ではタブレットなどのモバイルデバイスの管理やクラウド環境も含めた管理に課題を感じているという声をよく聞きますので、その点も少し意識して例を挙げてみたいと思います。

 

管理対象品目の特定
先ずは大きく業務システムや提供しているサービスを挙げます。システムといった粒度での管理をしないことも選択肢としてはありだと思いますが、多くの場合、システム毎に把握するといったケースが挙げられます。

・システム
例:物流システム、会計システム、受発注システム、社内インフラ
 

続いて、ハードウェアです。クラウド環境上に保持されるサーバ環境(AmazonAWSなど)IaaSとして判断できる種別だけ設けて、その他のサーバなどと同様に登録する形となります。モバイルデバイスも種別だけ分けて、その他のハードウェアと同じく管理していくことが可能です。

・ハードウェア

例:物理サーバ、仮想サーバ、IaaS、ストレージ、プリンター、クライアントPC pan>、モバイル
 

PaaSなどのクラウド環境上の開発環境(Google App Engine ,Windows AzureForce.com)SaaSといったクラウドサービスは大きくソフトウェアの分類として管理することができます。

 
・ソフトウェア
例:OS、ミドルウェア、PaaS、アプリケーション、SaaS

ドキュメント類については、利用方法に応じて必要なものを管理対象として挙げればよいと思います。今回はライセンスの要件がある為、ライセンスの契約数などを把握する契約書類を管理対象としています。

・ドキュメント
例:契約書類
管理項目の検討や関連性の検討などは、次回のテーマにしていきたいと思います。

 

Who:誰が把握したいのか(対象者)
次に誰が把握したいのかについてです。ここの内容が適用範囲に大きく関わってきます。誰がこの構成管理でメリットを享受できるかを明確にする必要があります。

 ・インシデント対応者
 ・システム管理者
 

When:いつ把握したいのか(利用タイミング)
利用されるタイミングなども検討していきます。

 ・随時
 ・障害発生時
 ・システム更改時

 

How:どのように把握したいのか(利用方法)
最後に把握の仕方です。構成管理ではレポートで一覧にしてみたいといった要件や、保守切れ前にメールで通知させたいといった方法が上がることもあります。
 ・システム毎のハードウェア、ソフトウェアの関連性のビジュアル表示
 ・対象ソフトウェアのバージョンアップの影響範囲のビジュアル表示
 ・ソフトウェアの不足ライセンスのレポート出力

 

ここまで検討していくと、構成管理の全体像が見えてくるのではないでしょうか。一覧化しておくと目的や利用方法を満たすものになっているかなど、妥当性の評価がしやすいと思います。
ちょっと長くなってしまったので、今回はここまでにして、次回は管理対象に挙げた構成情報の管理項目や関連性等について考えていきたいと思います。
それではまた!
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