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プロジェクトを成功させるために~失敗プロジェクトを通して得られた教訓~

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今回はプロジェクトが失敗しないために、実体験も通じて得られた教訓について書きたいと思います。

成功プロジェクトと失敗プロジェクト
プロジェクトと一言でいっても、使う技術や目的、規模の大小、社内向け or 顧客向けなど様々なプロジェクトがありますが、結果からみると、「成功プロジェクト」と「失敗プロジェクト」の2つに分けられるかと思います。

ビジネスの事情などを含めると、何をもって成功・失敗と判断するかが難しくなってしまいますが、ここでは、単純に「高品質(Q)」「コストオーバーゼロ(C)」「納期厳守(D)」のプロジェクトを成功プロジェクトとします。

2008年の日経コンピュータの調査によると、その成功プロジェクトは全体の31.1%しかないそうです。
大半が失敗した、もしくはあと一歩だったというプロジェクトになりますね。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NC/20081126/319990/

アジャイル開発を筆頭に、「短期間」「低予算」「複雑な仕様」と技術者泣かせ(?)なプロジェクトも増え、ますますプロジェクトを成功させることが難しく感じる方も多いのではないでしょうか。

プロジェクトをフェーズで分類すると、以下のように分けられますが、
1.立ち上げ(プロジェクト化・スコープの検討)
2.計画(WBS作成・コスト計画)
3.実行・コントロール
4.クロージング(振り返り・反省)

今回は特にプロジェクトで一番苦労した「実行・コントロール」フェーズを中心に気を付けるべき・教訓を書きたいと思います。

失敗プロジェクトにありがちなパターン・教訓
私の経験上、以下のようなプロジェクトは失敗するリスクが高いように感じます。

①プロジェクト管理者が作業者としてアサインされている
⇒大規模プロジェクトであればあるほど、管理者が作業者になるとプロジェクト管理ができなくなります。
管理者が作業を行う際は、少なくともプロジェクト管理を行う時間を確保した上で行うべきです。

②プロジェクトメンバに目的を共有せずに仕事をお願いしている
⇒目的の見えない仕事ほどつらい仕事はないと思います。
その上、突然の仕様変更、突然の休日出勤はメンバのモチベーションをとことん低下させます。
プロジェクトメンバのモチベーションがあってこそ、プロジェクトが成り立ちます。

③課題が見つかっても関係者に共有せずに期限内で解決しようとする
⇒原因や解決方法が明確な課題であれば問題にはなることは少ないと思いますが、新しい技術や
他社ツール連携など実績の少ないプロジェクトでは技術的な課題は必ず発生すると思います。
解決が難しい場合や顧客判断が必要な場合は、顧客や社内関係者と素直に相談することですんなり
解決できる場合もあります。

④顧客への依頼が遠慮ぎみになってしまう
⇒顧客の業務を知るため現在利用している業務フローやデータなどをお借りする場面があるかと思いま
すが、お願いをする際に「できれば、~までにいただけると助かります」といった遠慮ぎみな依頼になっ
ていないでしょうか。
データをもらうのが遅かったので遅れます、という言い訳は誰もしたくないですよね。
とはいえ、私も依頼している手前、あまり期限厳守を強く言えない場面もありますので、リスクを考え、
無理のない範囲で、少し早めの提出希望期限を提示するように心がけています。(結構お勧めです)

⑤人員強化だけで遅延リカバリを図ろうとする
⇒プロジェクトを進めていくと、小さな積み重ねで、どうしても遅延が発生してしまうことがあります。
遅延が発生した場合にはリカバリ対策を先送りにせず、発生した時点でどのようにすれば品質を落とさ
ず、リカバリできるかを検討するべきです。プロジェクト後半であればあるほど、追加メンバのスキル・
プロジェクトの理解度が原因で泣く羽目になります。

まとめ
プロジェクトを成功させるためには少なくとも以下のことを心がけるべきかと思います。

①プロジェクトを管理する人・時間とプロジェクトを遂行する人・時間を分ける
②プロジェクトメンバには目的・リスクを共有した上で、仕事をお願いする
③困難な課題は見つかった段階で早めに関係者に共有・相談する
④顧客への依頼事項は、提出期限・回答期限を明確に設定する
⑤遅延が発生した段階でリカバリ対策を検討する

最近では、IPA試験でもプロジェクトマネジメント資格も出てきましたし、その他書籍や資格などを通して、プロジェクト管理を体系的に学ぶ機会が多くありますが、知識だけでプロジェクトが上手く回せない実態もあるかと思います。

今回は私の経験ベースでプロジェクトを成功するためには!と意気込んで書きましたが、自分だけの知識や経験でなんとかしようとするのではなく、プロジェクトを始める前に、身の回りの経験者とプロジェクトを成功するために何を気を付けるべきか、議論することが成功プロジェクトへの近道かと思います。

それでは、また次回。

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