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失敗しないIT活用とは

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政府と経団連が推進しているキャンペーン「プレミアムフライデー」が以前から話題になっています。これは、その月の最終金曜日に、企業に対して早めに退社することを呼びかけるというものです。いよいよ今月の2月24日から開始されます。これまでの働き方や生活のスタイルを変えることにより、経済活動を活性化させたいという狙いがあるようです。通常でも、給料日の後の月末の金曜日には、平均消費額が高くなる傾向があるそうです。さっそく百貨店や旅行業界などが関連する取り組みを発表しています。

 

その一方で、実際にどれくらいの企業が賛同するのか、また、実施したとしても期待するような効果が現れるのか疑問視する声も多いようです。特に普段から残業が多かったり土日に出勤することもよくあるような企業では実施が難しいかもしれません。なお、このプレミアムフライデーは、上記の経済効果だけではなく、長時間労働の見直しや生産性の効率化などの働き方改革に結びつくことも期待されています。

 

このように、最近の働き方改革のトレンドとして、労働時間を制限することによって残業時間を減らしながら、労働生産性を向上させようという動きがあるようです。しかし、これがあまりに極端になると、かえって見えないところでサービス残業の増加することになるかもしれません。残業が多いのは、職場での仕事の生産性が高くないからだと感じていることが多いようなので、まずはその問題を解決することが重要ではないかと思います。そのために個人や組織のレベルで様々な取り組みが既に考えられていますが、ここではIT活用による生産性向上について少し考えてみたいと思います。今回は中小企業庁の『中小企業白書(2016年版)』の『中小企業におけるITの利活用』を参考にしてみました。

 

企業の生産性を向上させるためには、効果的なIT投資が必要性であると考えられているにもかかわらず、特に中小規模の企業についてはIT投資がまだあまり進んでいないと言われています。それにはどのような原因があるのでしょうか。白書によると、企業がIT投資を行わない理由として、まず「ITを導入できる人材が不足している」ということを上げています。その他には、「IT導入後にコストにあった効果が出るかどうか分からない」ということや「IT導入のコストが負担できない」ことなどを理由として上げています。人材不足に関しては、「必要とする人材像が不明確」であったり、「指導・育成を行う能力のある社員が不足している」などの問題も指摘されます。これらの問題については、外注化するなどの対策を取るケースも多いようです。

 

一方でIT投資がうまくいったと考えられる企業では、IT活用によってどのような効果が出ているのでしょうか。こうした企業では、「業務効率化のための基幹系システム」のためにIT投資を行ったところ、「業務プロセス合理化・意思決定が迅速化した」、「コストが削減できた」、「利益率・生産性が向上した」、「社内の情報活用が活発化した」、「営業力・販売力が強化した」といった効果が主に実感されているようです。このことから、企業でのIT活用がうまくいけば、業績の向上も期待できることが明らかになります。そして、「IT導入に併せた業務プロセス・社内ルールの見直し」、「IT導入に対しての各事業部門、従業員からの声の収集」、「IT 導入に向けての計画策定」、「IT・業務改善等についての社員教育・研修の実施」、「ITの段階的な導入・導入後のモニタリング」などの取り組みを行っている企業ほど、IT投資の効果が出る傾向にあることが分かっています。

 

IT投資によって得られる効果やIT投資を成功させるためのポイントや課題に関して、他にもいろいろ記述されていますが、こういった事例の分析を参考にすれば、それぞれの企業に適したIT活用によって、生産性や業績の向上が期待されるでしょう。そして、その結果として無駄な残業時間を削減することができれば、毎週にでもプレミアムな金曜を過ごせるかもしれませんね。

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