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なぜ運用ルールは守られないのか?運用ルールの必要性について考える。

こんにちは、ITサービスマネジメント部の志波です。

 

突然ですが、みなさんの職場でも、システム監査などのタイミングで運用ルールが守られていないケースが見つかることはありませんか。また、重大な事故を引き起さないように設計した運用ルールがなかなか現場に浸透せずに、頭を悩ませたことはありませんか。

 

今回は2回にわたり、運用ルールが守られる状況を作るヒントを発信できればと思います。

そこで、第1回では、そもそも運用ルールが守られない原因について考えていきたいと思います。

 

素材

 

 

1.そもそも運用ルールは必要なのか?


 

運用ルールといっても、「権限や役割に関するルール」や「作業のやり方、対応方法に関するルール」など、様々な運用ルール(基準や手順など)が存在すると思います。『~~マニュアル』や『~~手引書』といった形で皆さんの職場でも運用ルールは存在するでしょう。

 

なぜこうした運用ルールが存在するのでしょうか。

・言葉にしないと分からない人がいるから?
・新しい人が来たときにも、同じような手順で対応できるようにするため?
・過去にやってしまった失敗を繰り返さないようにするため?

 

いずれも正解だと思います。

運用ルールは「関係者全員が、同じ認識を持ち、同じ対応を取るための指標」です。

 

運用ルールが存在しない環境では、対応自体が担当者に委ねられた状態(管理されていない状態)となりますので、担当者によって対応方法や対応品質がバラバラになりがちです。場合によっては、人命に関わるトラブルや大規模なシステムダウンなどを引き起す原因になるかもしれません。こうした事態を引き起こしてしまうと、結果的に企業ブランドのイメージダウンや売上低下といった事態につながることもあります。

 

極端な例になりましたが、こうした不都合な事態を引き起こさないためにも、運用ルールが必要となります。そうした背景もあって、皆さんの職場にも運用ルールが存在すると思います。

 

2.どうして運用ルールが守られないのか?


 

では、なぜ運用ルールが存在するにも関わらず、守られない状況が発生してしまうのでしょうか。

運用ルールが守られない現場では、以下のようなことがよく聞かれます。

 

・自分達には関係ない運用ルールだと思っていた(現場の理解不足)
・そもそもそんな運用ルールがあるなんて知らなかった(周知徹底不足)
・他の人も守っていないから、少しくらいはいいと思った(軽視)
・運用ルールが実態とかけ離れていて守れない(実態と乖離)
・ルールが複雑で分かりにくい(守りにくいルール)

 

運用ルールが守られない理由は「違反者に依存する理由」と「運用ルールに依存する理由」とに大きく2つに分類できます。前者のケースでは、該当者への教育や周知徹底といった対応で解決できることもありますが、後者のケースでは、こうした対応ではその場しのぎの解決にしかなりません。

 

しかしながら、運用ルールが守られなかった原因を考える際に、直接的な原因である違反者が着目され、根本的な原因まで考えが及ばないことがあります。根本的な原因がルールにある場合は、表面的な対応を取ったところで解決はされません。全ての場合が該当するわけではありませんが、安直な体制強化やチェックシート作成は守られないルールを増やす原因になってしまったり、現場に不要な負担を増やす原因になりかねません。特に、身の周りで使われていないチェックシートがあるケース、意味も分からず2名体制で行わないといけない作業があるようなケースは要注意です。

 

また、「運用ルールの見直しが定期的になされていない」ことも、運用ルールが守られない原因として考えられます。策定時には問題なく守れていた運用ルールが、いつの間にか守られなくなってしまったということもあるのではないでしょうか。運用ルールは作ったら終わりにせずに、現場の意見を定期的に反映していくことが必要になってきます。

 


最近では、なんでもかんでも物を与えてしまうと考える力や対応力が育たない、という声を人材育成の場面で聞いたこともありますが、指標となる運用ルールがないと、現場任せの無法地帯といっても過言ではありません。「人だから少しくらい仕方ないか・・・」「完璧な人なんていないからね・・・」とあきらめるのではなく、もう一度、原因を考え直すきっかけになれれば幸いです。

次回は、運用ルールが守られる状況を作るヒントを発信できればと思います。