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帳票運用ノウハウ~アタマの体操~

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こんにちは。阿部です。
 
今日は、算数の問題です。A4サイズの帳票を三つ折りにして、長形3号の封筒に封入します。そのときの、折り目の位置を算出します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【前提条件】
・封筒は窓あき封筒で、封筒の窓から、帳票に印字した送付先情報(郵便番号、宛先住所、
 宛名)が見えなければなりません。
・封筒の中で封入物(帳票)が上下にずれても送付先情報が窓から見えなければなりませ
 ん。
 
・封筒の窓から、帳票の本文が見えてはいけません。封筒内で封入物(帳票)が上下にずれ
 ても、本文が見えてはいけません。
 
 
帳票上部から送付先情報上部までの長さaは、封筒上部から窓の上部までの長さAよりも大きいので、封筒内で帳票が上にずれても、送付先情報が窓枠からはみ出ることはありません。
 
(a A)
 
ところが、帳票上部からの本文上部までの長さcは、封筒上部から窓の下部までの長さBより短いので、中身が上にずれると、本文の上部が封筒の窓から見えてしまいます。
 
(c B)
 
 
さて、皆さんならどうしますか?(印字位置は固定です)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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a : 帳票上部から送付先情報上部までの長さ
b : 帳票上部から送付先情報下部までの長さ
c : 帳票上部からの本文上部までの長さ
A : 封筒上部から窓の上部までの長さ
B : 封筒上部から窓の下部までの長さ
C : 窓の下部から封筒下部までの長さ
D : 封筒の長さ
 
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封筒の中身が上下に動くのは、封筒の縦幅よりも、三つ折りにしたときの用紙の上下の幅のほうが狭いからなので、三つ折りにしたときの用紙の幅が封筒の縦幅ぎりぎりになるように調整します。
 
縦幅ぎりぎりに折るためには、本文が窓からはみ出る問題があるため①面で調整はできないので、②面を封筒の縦幅ぎりぎりになるようにします。
 
(y D)
 
 
※③面でもいいですが、今回は②面で考えることにします)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
②面の長さyを①面の長さxより大きくし、その分xを小さくすれば、三つ折にしたときの上部からの封筒内の本文の位置が下に配置されるので、窓枠からはみ出ないようにできます。このとき、①面の長さxは、どのような範囲であれば条件を満たせるでしょうか。
 
まず、送付先情報の上部が窓枠上部からはみ出ることはないので
 
(a A)
 
送付先情報の下部が窓枠の下部にはみ出ないようにするための条件を考えます。
そのためには、三つ折りにしたときの帳票上部から送付先情報の下部までの長さ
 
(y - x) + b
 
が、封筒の上部から窓枠の下部までの長さ(B)よりも小さい必要があります。
 
(y - x) + b B
 
すなわち
 
x y + b - B y Dなので
 
x D + b - B D - B Cなので
 
x C + b
 
次は、帳票の本文が窓枠から見えないようにするための条件を考えます。
そのためには、三つ折にしたときの帳票上部から本文までの長さ
 
(y - x) + c
 
が、封筒の上部から窓枠の下部までの長さ(B)よりも大きい必要があります。
 
y - x + c B
 
同様に数式を処理すると
 
x C + c
 
というわけで、①面の長さx
 
C + b x C + c
 
という範囲であれば、送付先情報は封筒の窓から表示でき、本文は窓からは見えないようにできます。
 
ちなみに注意事項ですが、
 
y D
 
としていますが、
 
y D
 
だと封筒に入らないし、帳票を複数枚重ねて封入すること
もあるので、yDよりも数ミリ小さめにしておきましょう。
 
さて、私は先日実際にこのような調整をしたわけですが、そもそも帳票の印字位置を決めるときに、封筒に入れることまで考慮すればよかったのです。経緯はさておき、このような調整をするのはレアケースなのだとは思いますが、皆様のご参考になればと思います。
 
頭の体操、くらいにはなりましたでしょうか。
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