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【2014年9-10月号】コア業務に集中するIT部門へ!
現状を把握しコア業務に専念するIT部門への変革

ITが企業活動に必須の存在になって久しく、近年は、さらにクラウドを利用した各種サービスの登場により、ITを利用するハードルが下がり、専門知識が無くても簡単に利用することできる時代になりました。IT部門でなくともITを容易に利用することができる環境が整い、事業部門が自らITを選択し、ビジネスニーズに応じて活用できるようになっている今、従来のIT部門が果たしてきた「役割」や「技術」に留まっていては、経営ニーズを満たすことが出来なくなっています。

IT部門を取り巻く環境の変化

新技術の活用と変化への対応

急激に変化するビジネス環境に遅れず対応するための有効な手段として、ITへの期待はさらに高まっています。アウトバンドとインバウドの両側面で進むグローバル化や、携帯、スマートデバイス、ウェアラブルと急速に進化するモバイル端末機器の普及、またデータサイエンティストの台頭により見えてきた、ビッグデータの活用と高速インターネットによる新しいビジネスモデルの誕生といった急激な変化は、ITに対してスピードとアジリティ、さらにはスケーラブルな対応を求めています。

また、クラウドコンピューティングやビッグデータを活用した、IoT(Internet of Things)やセンシング技術に代表される、新技術の調査、研究、提案を行い、いかにビジネスに展開し、成果につなげるかといったアプローチもあります。これらの新しい技術は、既存ビジネスの拡大はもとより、新サービスや新規事業を起こす際にも、もはやインターネット同様に必要な技術と言えます。

転換期の部門IT

現在のIT部門は、大きな転換期に差し掛かっています。技術革新によりITを利用することへのハードル(抵抗感)が低くなり、特定個人のリテラシーのみならず、事業部門自らがクラウドやITを利用することが容易になりました。事業部門は、各々でITコストを予算化、ビジネスに直接ITを活用することを考えています。これが、部門IT(図1)であり、マーケティングをはじめ、制御系の仕組みなど、従来のIT部門との関わりが希薄な領域で活用され始めています。従来のIT部門の仕事の進め方では、この事業部が求めるスピードやコストに対応することが難しくなるかもしれません。さらには、新たなIT領域、IoTやセンシング技術などの新技術をベースに、ビジネスに直接貢献するための対応も必要です。

ビジネス貢献

IT部門の多くは、ITシステムの企画・開発・運用を主な業務としています。主な役割として、システム化による業務プロセスの効率化や、生産性を高めることを目指しています。業務アプリケーションの運用領域においても、データの保全やアプリケーションの改修など、安心・安全、動いていて当たり前を基本として活動してきました。リスクコントロールを重視し、ガバナンス、コンプライアンスの遵守に重きをおく企業として当然の活動であると言えます。

ビジネスの改善と拡大

しかし、現在のIT部門は、顧客や事業(ビジネス)部門の期待に十分に応えることが出来ているでしょうか。求められている「ITを使ったビジネスの改善、拡大」を実現するためには、ビジネスに踏み込み、その時々の状況に応じて最適のタイミングでITサービスを提供していくことが不可欠です。例えば、顧客や事業部門から、「サーバを至急使いたい」とリクエストが来た場合、可能なリリース時期と事業部門の期待値の間には多くの場合隔たりが存在します。

役割の河

技術革新によりIT利用のハードルが下がったことで、専門的な知識がなくとも、大半のITサービスを簡単に活用できるようになりました。ビジネスニーズを的確につかみ活用のヒントやアイディアさえあれば、適切なITサービスを選択し、ビジネスに利用することもできるようになりました。  ビジネスニーズや業務運用の課題を共有しないIT部門であっては、顧客や事業(ビジネス)部門との会話が成り立たず、コミュニケーションをとることが困難です。ここでは事業部門とIT部門の間にある、役割認識のギャップを「役割の河」(図2)と定義します。

テクノロジーの河

新たな企業形態として「ITでビジネスを行う」企業群があります。この企業群は、最先端のIT技術を積極的に活用、主にインターネットを用いたITそのものでビジネスを行います。Googleやアマゾンに代表されるこれらの企業群を、ここではHyper scale企業と定義します。

一方、企業活動、事業活動を支えるITとして、業務の効率化、省力化、安全、安心の実現で事業を支える、すなわち「ビジネスにITを使う」企業群があります。これらを Enterprise企業と定義します。

ITとビジネスの直結

Hyper scale企業は、ITとビジネスを直結し、最新技術を駆使してスピードとアジリティ(俊敏性)、スケーラビリティの要素を持ったITでビジネスを興しています。クラウドコンピューティングやOSSを積極的に採用し、その特性を最大限に活かしたビジネスを行います。一方、Enterprise企業の多くは、ガバナンス、安全、安心を重視し、ITをビジネスの生産性と効率性を高める道具として使っています。Enterprise企業においても、Hyper scale企業が取り込んでいるような先進技術の活用が求められており、自社のビジネスにITを直結させなければなりません。しかし、現状、この2つの企業群のIT活用レベルには隔たりがあり、「テクノロジーの河」(図3)が流れています。

Enterprise企業のIT部門は、保守的な姿勢や判断が多く、クラウドコンピューティングなどの新しい技術を採用するために、慎重な検討を行います。時間を掛けて判断し、リスクの無いいわゆる「安全・安心」の実現を優先します。これは、ビジネス環境の変化にスピードをもって追随する際は、常に足枷になってしまいます。そのため、IT部門に頼らず「事業部IT※」で対応する場合が出てきます。一方、Hyper scale企業にも課題があります。急激な成長により、ガバナンス不足や安全・安心といった要素が弱くなってしまうことです。それぞれのお互いの企業群が「河」を越えるため、優れた技術とノウハウの橋渡しと相互の得意領域を補完する「橋」=「Innovation Bridge」が必要です。

事業部IT: 企業のIT部門とは別に、ITにかかる予算を持ち、ビジネスにITを直接活用している事業部門のIT機能・組織(要員とプロセスを有する)を指す。第2IT部門ともいう。例:製造業のR&D内のIT活用、公共事業の基幹業務(発電や運行システム)、マーケティング部門のITなど(BSP定義)

現状を把握し、活動方針を決める“価値分析”

価値分析

ビジネスに直接貢献するこれからのIT部門へと変革していくためには、持てるリソース(ヒト・モノ・カネ)とケイパビリティ(能力)を最大限活用することが必要です。これからのIT部門が、外部環境の変化に強く、経営に貢献するサービス部門へ変わっていくためには、まず、業務の価値分析を行い、企業価値を高める固有の部分と、汎用的、一般的な部分を見極め、経営資源を有効活用することが求められます。

下のマップ(図4)は、縦軸に長期間保有価値を、横軸に固有性、汎用性を配した4象限の価値分析マップの一例です。円の大きさは、その機能ごとのリソースの大きさを表しています。必要とされる機能を分析し、本来どの象限に置くべきか、現状はどうなっているかを表します。一般的には右上の象限がその企業にとって、「ビジネスの付加価値向上に貢献する業務領域」であり、左下の領域は「安定、高品質、低価格を実現する業務領域」になります。

コア業務とノンコア業務

価値分析に基づき、コア業務※とノンコア業務※を選別し、ビジネスに貢献するためのアプローチ方法を決め実行します(図5)。ビジネスに直結するコア業務については、リソースを重点投入し、新しい技術も積極的に採用します。同時にケイパビリティを高めるための組織改革や人材育成を進めます。

一方、ノンコア業務においても、戦略的に自社で取り組むべき業務についてはリソースを投入します。汎用的な業務は、標準化して自動化します。さらに、コモディティ化が進み、他社に任せたほうが良い業務はアウトソーシングを利用します。

コア業務: コア業務とは、本業のことを表します。 建設会社であれば建物を建てること、製造会社であれば製品を作ること、病院であれば患者を治療することなどです。コア業務は全ての企業に存在し、コア業務の中でサービス・製品の開発や品質向上、納期短縮などを目指すことが、企業として正面から取り組むべき課題と言えます。

ノンコア業務: 企業による違いが少なく、また人による違いも少ない業務を表します。コア業務を安定・安全・高品質で遂行するための業務が多く、常に業務効率化やコスト削減を課題として求められています。

継続した安全・品質管理と品質向上をコア業務とするIT部門へ

安定、高品質、低価格

IT部門が過去から未来に向けて永続的に担う重要な役割は、安定・安心・低価格、現状を定期的に評価し、改善ポイントがないかを見直し、継続的に改善し続けること。改善には終わりがなく、サービスレベルや契約、品質目標などの定性的または定量的な指標に基づき、成長を検証していく役割を担います。また、新技術や手法の採用にも積極的に取り組むことによって、右上の領域へのリソースシフトや、ケイパビリティの向上を目指します。

役割の変革

クラウドサービスに代表される従量課金を有効に活用します。これまでのIT予算は、予算額を確定する為に、従量課金より一括の投資が好まれてきました。然しながら、一括投資をしても運用フェーズで必要な費用は固定化することが難しく、資産償却も発生します。また、ハードウェアやソフトウェアのEoS(End of Support) により、運用フェーズに入っても周期的に更新費用がかかります。EoS対策を含めた運用費は年々増加する一方です。

実際、あるユーザでは、クラウドサービスを利用するにあたって、曜日によってトランザクション数が大きく変化したり、大きなイベントによりサーバの負荷が増えたりすることを想定、コストミニマムの為に、トランザクションが増え、サーバの負荷がアップする時だけ、動的にサーバのインスタンスタイプを大きくして運用する方法を取っています。これにより最小のコストで最大の効果を得ています。

戦略的アウトソーシング

アウトソーシングにはいくつかの手法があります。企業にとって有限の資源であるリソースをより有効に活用することが目的であり、自社のケイパビリティ(能力)を高めることに集中することができます。「価値分析」に基づき、ノンコア業務やコモディティ化した業務(ヘルプデスクや、給与計算など)をアウトソースすることで戦略的領域にリソースをシフトすることができます。また、自社ではできない低コストかつ高品質のサービスを選ぶこともできます。

ノンコア業務をアウトソーシングする場合は、BPA(Business Process Analysis)よって標準化・可視化されていれば比較的容易に外部に出すことが可能になります。また、BPR(Business Process Re-engineering)やBPO(Business Process Outsourcing)によって標準化・アウトソースまでを依頼するなど幅広い選択肢があります。SaaSなどのクラウドサービスの利用も一種のアウトソーシングと言えます。戦略的な領域であっても外部に委託したほうが生産性や能力が高い場合は、提携やパートナリングといった方法もあります。

さらに、アウトソーシングは定期的に見直すことが重要です。業務の委託元と委託先でサービスレベルについては「停止する場合があること」「サービスが停止した時の対応を、業務部門と取り決めておくこと」「より高いサービスのレベルを期待するのであれば、場合によっては新たな投資が必要となること」「コストを下げるには、サービスレベルに踏み込む必要がある場合があること」などを定期的に議論しておくことが必要です。同時に、ベンダーロックインを防ぐためには、マネジメントを確実に行いロックインを防ぐためのSLA(Service Level Agreement)とともに締結、契約、可視化によるブラックボックス抑止などを行う必要もあります。相互の自立と成熟の中で、相互に設定するサービスレベル指標に基づいて、役割を明確にし、継続した安全管理、品質管理、品質向上に取り組んでいくことが、「コスト削減」と「品質向上および信頼性向上」を同時に実現する一つの解と言えます。

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