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基幹系システムの老朽化がもたらす影響 ~システム再構築が急務な理由

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自慢のオフコンが完全撤廃に…

中堅素材メーカーA社では、1990年代初頭にオフコンを導入し、自社のシステムのほとんどをオフコンで構築していきました。なかでも販売管理システムは業務アプリケーションを自社向けにいろいろとカスタマイズした自慢のシステムに仕上がっていました。

A社は2年前にM&Aで外資企業の傘下となり、親会社からの出向役員・メンバーが主体となって、業務改革やシステム統合に向けた多数のプロジェクトが立ち上がっていました。

システムについては、親会社がグローバルで展開するERPパッケージへの統合が決まっており、このERPに詳しいベンダーによるシステム統合プロジェクトが10カ月のスケジュールで進められていました。ちなみに、このシステム統合に伴いA社のオフコンは完全撤廃の方針が出されていました。

このA社には、筆者もよくお世話になっているB課長が所属する情報システム室があり、室長、B課長、4年目の社員1名の他、システムのメンテナンス要員として協力会社から1名常駐の4名で、社内のシステム管理・運用を担っていて、今回のシステム統合プロジェクトにはB課長が参画していました。

B課長は、長い間A社のビジネスを支えたオフコンの撤廃に寂しさを感じながらも、ERPパッケージへの移行に向けて、システム資産の棚卸しや、業務改革のプロジェクトから出されるさまざまなシステム課題の調整に、日々奮闘されておりました。

B課長の眠れぬ夜
B課長の眠れぬ夜

特に自社向けにさまざまなカスタマイズを施した販売管理システムの移行は課題の宝庫で、これらカスタマイズ機能の対応についてベンダーと交渉を重ねていましたが、スケジュールと費用の調整がつかず、一部の機能についてはERPパッケージの標準機能を使うことで進めていました。

  • 「これまでは値が自動的にセットされてたのに、いちいち手入力するの?!」
  • 「マスターを確認する検索画面が使いにくいんですが・・」

業務改革としてさまざまな変更を強いられている業務担当者たちからは、ERPの操作感に不満爆発。B課長の眠れぬ夜が続いていきました。

「オフコンの販売管理システムには5年分のデータしか入っていない?!」

そんな中、社内の連絡会議の席で業務担当者から「新しいシステムで7年前の取引情報を見るにはどうしたらいいんですか?」との質問が投げかけられました。

「ん?ええっ?!」B課長が急いでベンダーに確認したところ、「オフコンの販売管理システムには5年分のデータしか入ってなかったので、それしか移行してないです」

確かにこれまでA社では、オフコンの過去データはバックアップ管理しており、過去の取引情報を検索する場合には情報システム室が手動でデータを再投入する運用を行っていりました。

カスタマイズ機能の対応に追われて、システム運用の課題確認を忘れてしまっていたB課長は急いでベンダーと交渉を始めましたが、過去データの一部は途中のシステム改修などの影響でデータの不整合が発生するため、ERPパッケージへの移行は容易ではなく、追加対応の費用はかなり膨らむとの説明がありました。

代替案として親会社の他のシステムへの統合も検討しましたが、システムは全て海外拠点に構築されており、日本語のデータ、特に外字が含まれる得意先などの情報は移行が難しいことがわかりました。

オフコンの販売管理システムには5年分のデータしか入っていない?!
オフコンの販売管理システムには5年分のデータしか入っていない?!

業務担当者と話し合いを重ねましたが、「過去の取引情報を確認できる機能は必須です!」の一点張りで課題解決にはつながりません。当然ながら過去データの検索のためだけにオフコンを延命させるのは、費用面で相当ハードルが高く、B課長は業務担当者とベンダーの板挟み状態になりました。 

「これはまずいことになった・・」

あなたの悩みは解決できる!!

私がB課長を訪問した時、B課長は疲れ切ったご様子でした。

「オフコンの移行プロジェクトは順調ですか?」「それが・・・」B課長からオフコンの過去データ検索の対応に苦慮されていることを相談されました。

その時、私は「!?」ときました。弊社のクラウドソリューションが利用できるのではないかと思ったのです。

ERPの移行に伴いデータ抽出ができる環境をクラウド上に構築

そのソリューションは、事前に検索対象となるオフコンのデータをクラウド上に移行し、そのデータを検索するための定義を登録するだけで、エンドユーザーがWebブラウザを使ってデータ検索を行うことができる上、利用人数に合わせた月額利用料のため、初期費用を抑えることもできます。

「これって、ちゃんとエンドユーザが使いこなせるの?そもそも費用は?」 

資料に目を通したB課長は少々不安げな表情でしたが、「ちょっと業務担当者にも見てもらうか・・。今度、デモをお願いできますか?」と言われました。

実際、業務担当者にこのソリューションの紹介と、実際に使用されるツールのデモを見てもらうと、
「これなら私たちでも操作できそうです」
「そのままExcelになるなら今までよりもラクになります」
と、好意的な意見をいただけたので、このソリューションのご利用を前向きに進めていただきました。

しかし、ある雑誌の特集で『クラウドへのシステム移行は意外と大変!』といった記事を読んだことがあるB課長は内心不安もあったそうです。

「取引先名の外字とかちゃんと表示されるのかな・・」
心配になったB課長から連絡をいただいた私は、「大丈夫ですよ。クラウドへのデータ移行はETLツールを使うのですが、そのETLツールでコード変換とか外字対応とかできるので」と伝えました。

実際、検証の為にクラウドへ移行されたA社のオフコンデータは文字化けすることもなくWebブラウザに表示され、業務担当者による確認作業も順調に進んでいきました。
システム統合プロジェクトの全過程を終え、無事オフコンの完全撤廃を完了されたのです。

B課長は、「ほんと、一時はどうなるかと思いましたよ」とほっとした表情でプロジェクトを振り返っていました。

まとめ

いかがでしょうか。

システムを長らく使うと担当者の手作業や運用でカバーしている作業が少なからずあると思います。それらは、システム移行・統合する際に思わぬ落とし穴になるかもしれません。

システム移行時はメインの業務要件・課題の対応で埋もれてしまいがちですが、イレギュラーな作業の洗い出しを忘れない事が大切だと感じました。

あとは、我々のような外部の知恵を借りることも有効かもしれませんね。

追記:関連コンテンツ

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