今年の初詣はどちらへお参りにいかれましたか?お参りの方法には諸説ありますが、まずは、住まいの近くにある氏神様へお参りするのが礼儀みたいです。さて、今回は、神ならぬ、紙にまつわる歴史をたどってみたいと思います。
さて、みなさまは紙がいつ出来たのかご存知ですか?
人類は紙だけでなく、粘土板や木簡、羊皮など様々なものに記録を残してきました。その中でも紙の歴史は古く、4000年前のエジプトで現在の紙の原型になるものが存在していました。
「パピルス」という植物を原材料にして、紙を作ったというのが一般的です。
英語の「paper」の語源とも言われています。古代の紙の製法は非常に手間がかかり、一枚一枚手作業で作られていたので、高価なものでありました。
当時のエジプトは隣国であるメソポタミアやローマ、ギリシアとの交流があり、隣国への親書などで紙が流通していったと言われています。私達が現在使用している紙の原点は、エジプトやヨーロッパではなく中国が最古と言われています。エジプトやヨーロッパで広まっていたものと全く別のところで、別の時代に作成されたものです。中国の紙はおよそ2200年前の漢という時代です。
漢の時代にはすでに紙を作る技術があり、その後、紙の技術はどんどん改良されていきました。改良した人で有名なのは、後漢時代の蔡倫と言われています。隋や唐の時代(600~800年くらい)には、日本にも紙が流入されました。日本に紙が流入されるきっかけは、遣隋使や遣唐使です。
当時の日本では、中国の仏教を知ろう、普及させようということで、隋や唐に使者を派遣し、中国から仏典などを持ち帰っていました。もちろん仏典は中国で作られた紙です。仏典だけでなく、中国から製紙法も持ち帰っています。その後日本では、独自に「和紙」という文化をたどります。少し前に無形文化遺産に登録されたものもありますが、まだまだ日本での紙の歴史は短いようで1200年くらいです。
中国でも日本でもヨーロッパでも紙というのは非常に高価なものとして扱われます。皇族や貴族の方が主流で使うものであり、一般の人にはとてもではないですが、扱えるようなものではありませんでした。当時は、現在のように識字率が高いわけではないので、万人が記録をつけるということはない時代です。
今では当時とは比べ物にならないくらいの製紙法技術が発展しています。紙を作るもの早くなり、値段も安くなってきています。紙が当たり前になっていて、ありがたみがわからなくなってきているのもまた事実です。紙がなくなってしまった時のことを考えると、とてもじゃないですが、今の生活を続けるのはできないですね。
次回は、中国から世界へ紙が普及したかについてご紹介したいと思います。