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帳票開発ノウハウ!~手戻りが恐い!帳票移行の原本合わせの注意点~

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今回は、「帳票移行」における「原本合わせ」の注意点についてご紹介したいと思います。

 

皆さまの会社には、業務アプリケーションがあり、その業務アプリケーションから必ず帳票を作成していると思います。業務アプリケーションの機能不足やエンドオブサービス等の理由により、別の業務アプリケーションへ移行する場合があります。特にここ数年はOSの入れ替えを契機に、業務アプリケーションの移行が目立っていると思います。

 

この業務アプリケーションの移行のタイミングで、帳票パッケージ(ここでは帳票フォームを設計して帳票ファイルを作るためのパッケージ)も合わせて入れ替えることもあります。そして、それまで使用していた帳票パッケージで作成した帳票を元に、入れ替えた新しい帳票パッケージで帳票フォームを作り直すことを「帳票移行」と言っています。この時、それまで使用していた帳票に合わせて、新しい帳票フォームの文言や罫線の位置や大きさの調整をする作業を「原本合わせ」と言っています。

 

私が今までに携わってきた帳票フォームの原本合わせの経験からみて、簡単なフォームを1つ作成するのに2時間、複雑なフォームになると5時間以上の時間が必要となります。原本合わせは、許容誤差が1ミリ以内の世界であり、作成した帳票フォームとデータを組み合わせて帳票を作成し、実際に印刷したうえで、印字位置、フォントサイズ等の違いがないかを確認する必要があります。また、原本合わせの調整結果を最終的に確認してOKを出すのがその帳票を使っている現場の方だったりするので、帳票開発の作業場所と地理的に離れていたりして、やりとりに時間がかかります。

 

今まで使用していた帳票と全く同じものを作成するには、それだけの手間がかかります。100フォーム以上の原本合わせが必要となると、手戻りが発生した時の工数が馬鹿にできません。
ここでは、私の原本合わせ失敗経験に基づいた、私が心がけている注意点を3つご紹介させて頂きます。

 

①フォーム修正におけるルールの共有

 

お客様が使用している帳票フォームには、いくつかの共通点があります。
・会社のロゴ画像は、特定の座標に表示されている
・会社の住所・電話番号の記述は、特定の座標に記述されている

 

帳票フォームの移行作業は複数人でやることが多いため、メンバー内での情報共有を必要となります。以前に携わった帳票の移行作業では、バーコードの印字位置ルールを共有が漏れてしまい、大きな手戻りになったことがありました。また、共有するルールをメンテナンスすることも大切です。当たり前ですね。原本合わせは、現場の方に確認してもらうと、どんどん指摘がでてきます。現場の方はやはり開発者と観点が違います。その指摘の共通化できるものをルールに追加していかなければ、いつまでたっても原本合わせが終わりません。

 

②原本に潜む問題について

 

①では、帳票フォームの共通点についてお話ししました。しかし原本自体が共通化されていない、あるいは共通化にムラがある場合があります。類似する帳票原本を比較すると、一見共通の様に見えて、座標が若干異なるということがあります。
これは、原本では意図して小さくしている場合もありますし、帳票を作成した当時に共通化が漏れてしまった場合もあります。判断が必要になり、判断を誤ると手戻りになります。
無理に原本に合わせた結果、後で他の帳票との統一性を持たせてほしいと要望を頂いたことがあります。
原本合わせはとても曖昧な作業なのです。

 

③移行元の帳票フォームの印刷

 

3つめ、最後になりますが、これは最近やってしまったことです。とてもケアレスですが・・・。

 

帳票移行では、お客様から帳票の原本を頂き、頂いた原本を元に新 >しい帳票フォームを作成します。
この原本をPDFファイルで貰う場合に、このPDFを紙で印刷する時に注意が必要になります。
PDFを印刷する時に、AdobeReaderでは、下記の4通りの印刷方法があります。
・合わせる
・実際のサイズ
・特大ページの縮小
・カスタム倍率

 

デフォルトは「合わせる」だと思います。普段意識しないと思いますので大抵の場合はみなさん「合わせる」で印刷していると思います。これは印刷する用紙サイズに合わせてPDFのページを拡大縮小して印刷するものですが、実は用紙サイズと実際のページサイズが例えばどちらもA4であっても、実際のサイズよりも倍率が縮小されて印刷される可能性があります。

これの何が問題かと言うと、気付かずに、この縮小された原本のサイズで新しい帳票フォームを作成したり、原本合わせしたりしてしまうと、後でその全てがやり直しになるということです。他にも帳票フォームの移行作業における注意点は多々ありますが、大きな手戻りとなった3つだけの紹介とさせて頂きます。

 

今回の記事で、帳票フォームの移行作業がどれ程大変なものかを感じて頂けたのであれば幸いです。

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