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経営情報可視化を進める上での 現状整理と解決すべき課題

経営情報可視化支援

実際の経営情報可視化支援(コンサルティング)で判明したお客様の現状に対し、成功するために必要な対策の方向性と実践した効果のある取り組みを事例からご紹介します。

はじめに

今回のテーマである”経営情報可視化”。
なかなかの難題ですね。マネジメントの方々はよく「管理する仕組み作りを」とおっしゃいます。属人的業務遂行ではなく、システムとして仕組み化しないと駄目だという訳です。経営上の問題点は出尽くしているとも言われている中、その問題解決の施策も然りで、それらを実行できる人材がいる企業は対応できます。しかし、事業や製品自体は、各々のライフサイクルやステージおよびポジションにより取り組み方は異なり、どのような施策をどの時期に適用するかが悩みどころでしょう。更に、時間経過と共に状況と取り巻く環境は変化しますので、ある時点で変える必要が生じます。それまで成功していた施策も、変えていくことを英断しなければなりません。

"可視化"は「管理する仕組み」作りの第一歩

経営課題の解決にビジネスの”可視化”は不可欠です。数字から実態を把握し、効果的な施策を検討し、その施策が実行・継続され、定着に至ることが重要です。この”可視化”をもとに、PDCAを回し事業をモニタリングする指標として、”達成度合い”と”伸長度合い”そして”組織(部門)別管理会計”が活用されています。これらは、業績評価的側面による通信簿としての結果管理です。ユニリタの”経営情報可視化ソリューション”は、前述の”達成度合い”と”伸長度合い”そして”組織(部門)別管理会計”はもちろん、業務およびシステムからの情報資産を複合・横串しにした情報活用により「業務の改善」→「KPIの改善」→「経営指標の改善」サイクルのための管理業務をサポートする仕組み=業務計数管理(BCM:Business Counting Management)を提供します。

"可視化"への道 その1「情報活用基盤」

「情報活用基盤」の構築は、各業務システムを機能独立的な位置づけで、疎結合型にしていくアプローチで考えましょう。データ連携により、ユーザ操作やUIからは1つのシステムとして動作している姿で提供されれば十分です。
システム更改・再構築に際しては「情報活用基盤」は変えずに、それ以外の部分を取り換えることができ、システム全体の継承性を担保しやすくなります。「プラットフォームの老朽化」「現ビジネスへの適合性」といった再構築の理由以外では、実はITデバイスの変化に伴う、入力機能をはじめとしたユーザ操作=UIの変化への対応が多く見受けられます。今後もITデバイスの変化に伴う情報システムの追従は不可欠でしょう。問題はどの部分を変えていく必要があるかです。実際の各業務システムとは、業務単位でサイロ型に構築されているケースが多く、この形態ではシステム再構築時に業務単位で取り換える必要が出てきます。「情報活用基盤」を機能独立型にすることにより、伝票などのビジネスフォームやプルーフリスト類を除いたアウトプット(Output)系情報資産を対象としていくアプローチです。

"可視化"への道 その2「情報資産」

「情報資産」をどのように管理・集積・活用していけばいいのでしょうか?
「情報資産」としての要素は”アウトプット(Output)系情報資産”と”データとしての情報資産”の2種類です。システムありきでなく、ビジネスプロセスの面から取りまとめることが重要です。
以前から有効なデータ・モデリングのひとつに、「現状(AsIs)」と「あるべき姿(ToBe)」を業務要件を鑑みて取りまとめる方法論がありますが、これはシステム再構築の要件定義の取りまとめによく活用されています。データベース管理システム(DBMS)テーブルやCSV形式などインタフェース・ファイル(I/F)が主な対象・情報源であり、業務要件を実現する各種開発成果物(プログラムおよびそのロジック)の仕様と密接な関係を持ち、その後の構築システムへ反映します。

■”アウトプット(Output)系情報資産” Output-Based Modeling
今回ご紹介する方法論は、前述の方法と全く逆方向からのアプローチとして進めます。(右図参照)
各業務部門が活用するアウトプット(Output)系情報資産としての参照系画面や帳票(レポート)を対象・情報源として、それらに使用されている情報項目を取りまとめます。並び換えや合計として使われるセグメントやコードおよび数字(実数や指標)に着目し、業務遂行面からの管理着眼点をまとめます。

アウトプット(Output)系情報資産

①組織(部門)別
各組織(部門)別に、情報資産オーナ(所轄)とユーザ(利用)に区分けし、作成と利用タイミング、および提供方法を明確にします。組織(部門)間協働や情報の複合と、共有・活用の前後関係と実施タイミングが明確になります。
②情報項目
参照系画面や帳票(レポート)に使われているセグメントやコードおよび数字は、源泉データであるトランザクション系情報項目と各種セグメント設定に区別し、その加工プロセス(粒度合わせ)を加味して取りまとめます。これらの源泉データは、DBMSのテーブルやI/Fに加え、ExcelデータなどOfficeソフトウェアによる成果物も含めた包括的把握が必要です。
③アウトプット・フォーム
フォーム=表レイアウトの縦軸・横軸によって管理視点・項目を明確にします。
業態により会計年度の月別や週別などの違いありますが、通常7~8割が時系列フォームです。会計年度における管理視点が強いのでしょう。他には、横軸をセグメントとして比較などに活用されるフォームや、横軸を数値項目とするフォームが見受けられます。これらでは、時間軸要素は抽出(対象)条件になり「当月xxリスト、累計xxリスト」と呼ばれます。
④”共通のモノサシ”作り
各組織(部門)別に、その業務目的・業務分掌から、各種セグメント設定と数字(実数、指標)のとらえ方を明確にします。

特に、セグメント設定やカテゴリー分けが”共通のモノサシ”になっていないケースが見受けられます。例として、商品分類設定(どの商品コードがどこの分類に属しているか)が営業と製造サイドで異なり、各々で類似レポートを運用しているケースがあります。業務目的を明確にし、複数種類のセグメント設定を実現することも必要です。
以下の各事象への対応(データ継承性の確保)も重要です。
・担当営業替え・組織(部門)変更・拠点(店舗)統廃合
・商品の主管部門変更・商品のシリーズなど属性変更
※データ洗い替え不要のプラットフォームを提供します

■”データとしての情報資産”
前述の”アウトプット(Output)系情報資産”②情報項目をもとに、過去データの蓄積を鑑み、以下の3種類に大別して取り組みます。

①規程として存在する情報資産
IT部門が管轄する仕組み=業務システムとして存在し、源泉データやマスターデータが構造化データとして連携しやすい情報資産です。DWH化されている場合もあります。

②規範(不文律)として存在する情報資産
多くはExcelデータなどOfficeソフトウェアの形で運用されており、IT部門管轄ではないため、仕組みとしてではなく、データ保管方法や期間など運用不明瞭な場合が多い情報資産です。

③存在しない情報資産

非構造化データなどの業務として取り組めていない情報資産です。

"可視化"への道 その3「情報活用」

前述の”アウトプット(Output)系情報資産”の管理着眼点をもとに、目的別に以下の3種類に大別して取り組みます。

①業績評価的側面から
業績評価を目的とした管理会計です。
収益・採算性を把握する一般的な方法が損益計算書(以下PL)の活用です。会社の売上や利益への貢献度を明確に把握できます。採算性次第では、時に不採算部分を整理することが必要な場合もあります。
一般的に管理会計においては、一般会計(GL)上の費用負担が組織(部門)単位になっていることから、多くの企業の管理会計や収益・採算性管理が組織別で行われています。組織(=その組織長)別だけでなく、商品シリーズ別やプロジェクト別などのより細かな粒度で把握する必要があります。組織内にはCash CowもWild Catもいます。収益・採算性が低いという理由だけで、整理対象にしてよいとも限りません。業務改善などにより継続させる意思決定が重要な場合もあるでしょう。
より細かな粒度での収益・採算性管理には、PLの構成に一工夫が必要になります。按分やABC(Activity-Based Costing:活動基準原価計算)です。

②業務オペレーション支援的側面から
職務分掌(業務分掌)にそった情報提供を定型化し、管理の仕組み化を推進するもので、主に現場主体で活用されます。システム化推進による「自動化」が望まれますが、「完全自動化」「判断行為が伴う自動化」「アラートなどでの省力化」とレベルを分けて取り組みましょう。

③課題設定・解決的側面から
“可視化”に必要な数字(実数、指標)活用による全社や組織(部門)別およびさまざまなセグメント設定別の管理視点で、「売上・利益拡大」「コスト削減」「効率化」「問題発見・改善」「課題設定・解決」などさまざまな改善や改革を進めていくものです。”標準的管理業務モデル”や各種”経営指標”の活用も有効です。
実は「情報活用」において重要なのは、課題設定を5W2H(5W1H+どのくらい=How much/How many)で実施することです。そして、活動目標管理のプロセスを”可視化”するためにモニタリングを進めましょう。効率向上に有用な情報は、業務オペレーション支援での「自動化」にて定着させましょう。

おわりに

ユニリタが提供する『経営情報可視化ソリューション』は、情報活用基盤におけるデータモデル・構造で”可視化”を実現します。ユニリタは、情報資産の活用により、お客様ビジネスの競争力強化を支援します。
ご興味がございましたら、ぜひ弊社までお声がけください。

担当者紹介

奥村 誠悟

営業本部 営業部
ITエンジニアグループ
コンサルタント
奥村 誠悟

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