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今更聞けない、RPAの本質とは?

今更聞けない、RPAの本質とは?

手段を目的化させず、本来の目的を達成するため

現在、RPA(Robotic Process Automation)がブームの様相を呈しています。
このような状況下においては、得てして「手段」(ここではRPA)が「目的化」してしまい、本質が見失われがちです。
RPAは、ITツールにもかかわらず、IT部門発ではなく経営レベルからの要請によって取り組んでいる企業も多いのではないでしょうか。

このような現状を踏まえ、RPAの本質を捉え、本来の目的を明確にし、成果を導出するためにユニリタグループが考えるRPAソリューションをご紹介します。

RPAの本来の目的とは何か?

「働き方改革」が時代の要請になっています。

  • 業務改革やITの活用によって、労働時間(残業)を減らし、余暇の増加による豊かな生活
  • 時間や場所にとらわれず仕事をするロケーションフリー、テレワークの実現
  • 誰でもできる作業(可視化され、形式知化されていることが前提)をITによって自動化し、「人(ヒト)」でなければなしえないクリエイティブな仕事へのワークシフト

など、さまざまな「働き方改革」の考え方があります。

RPAはこれらを実現するための手段の1つですが、決して魔法の杖ではありません。

現在のRPAはロボットという名前はついているものの、日本人が想像するようなSFの世界で描かれているロボットとは程遠く、床を掃除する
ロボットとそれほど変わらないといえます。

今後、AIなどの技術革新が進み、自律型のロボットも近い将来現れると思いますが、現時点ではRPAツールと呼ばれる「ソフトウェア」上に、プログラミングによるRPAシナリオ「ロボット」を作成し、指示したとおりに動作させるに過ぎないのです。

しかし、RPAツールが有効なソリューションであることに変わりありません。

RPAを含むITソリューションは、働き方改革の手段であり、目指すものは何かを明確にして、活用していくべきと考えます。

今後推進していくにあたって、目的はあくまでも「働き方改革」や「ワークシフト」の実現であり、現状のRPAができることを経営層や関係者に正しく伝え、過度な期待を抱かせない合意形成が必要です。

また、成果の指標は単にコスト削減だけではありません。品質の向上や、納期の平準化、短縮といったいわゆるQCDにかかる目標を掲げ活動
することをお勧めします。

つまり、RPAツールの効果は費用対効果だけでは測れないこともあり、「作業」を代行してくれるロボットを新たに雇用したと考えるべきです。

RPAの概念とRPAツールについて

WikipediaでRPAを調べてみると「認知技術(ルールエンジン・機械学習・人工知能など)を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取り組みである」※1と定義されています。

RPAツールは「人」の作業を代行することができます。人の代行とは言っても、ソフトウェアである以上、「気を利かせる」、あるいは「臨機応変な対応」はできません。残念ながら、ロボットという言葉から連想される万能ツールではなく、現時点の技術では、可視化され、形式知となった業務プロセスにのみ適用できるのです。

また、「人」の業務を代行するという観点からすると、RPAツールにも人と同じレベルの基準やルールを適用していく必要があります。

RPAを概念として広義に捉えた場合、RPAツールだけではなく、OCRやETLなどの仕組みやAIと組み合わせることで、より効率的なソリューションとすることができます。なぜならば現状のRPAツールには得手、不得手があるからです。例えば、大容量データの処理時に十分なパフォーマンスが得られない場合や、紙や手書きの情報をデジタル化するといった場合です。

RPAの概念とRPAツール

また、RPAツールはあくまでもソフトウェアであり、ロボットというプログラム(シナリオ)を作成し、稼働させるわけですから、効率的な運用のためには、管理するプロセスや業務プロセスも定義しておく必要があるのです。

RPA活用に向けた3つのポイント

①RPAは複数のツール群で実現する

RPAツールは万能ではありません。人の代行ツールとしてさまざまな機能を有していますが、すべてをRPAツールで実装しようとするとさまざまな制約があります。

まずは業務プロセスそのものを理解し、システム化や、パッケージの利用、業務プロセス改革などの手法を活用して本来の目的である自動
化・効率化の実現を目指すべきと考えます。

例えば、一般的にRPAツールで大量の処理や大容量のデータ処理を行う場合には「人」と同じ動作をさせるとパフォーマンスが出ません。ま
た、「手」としての機能はありますが、「目」としての機能はありません。

そこで、高速大容量処理を実現するETLツール「Waha! Transformer」や、紙や手書きなどのアナログ情報をデジタル化するOCRとRPAツールを連動させることによって、自動化・効率化を実現します。

また、RPAツールを運用する際の体制や組織、管理するためのプロセスを整備していく必要があります。

体制や組織の整備がないまま、現場で五月雨式に導入してしまい、結果的に手戻りが発生し、多くの工数を要しているというお声も耳にしま
す。RPAの運営における有効な管理手法としてはITサービスマネジメント(以下、ITSM)のフレームワークであるITIL®が有効であり、このプロセスを実装した、「LMIS」の活用も有効です。

RPA活用に向けた3つのポイント

「RPAソリューション」を構成するツール群
OCR : AIRead(アライズイノベーション)
ETL : Waha! Transformer
RPAツール : WinActor(NTTデータ)など

管理ツール : 
ITSMプロセス管理 LMIS 
ロボットのスケジューリング A-AUTO 
稼働監視 Mr.CIO

RPAにかかる、組織設計、管理プロセス設計や運用管理規程などのコンサルティングサービス(BSPソリューションズ)
※()は開発元です。
 ()の無いものはユニリタの製品&サービスです

②変更管理プロセス、運用設計が重要

RPAツールによる「ロボット」は、人の代わりにIT資産(システム)を操作するため、外部要因の変化に弱く、操作対象になんらかの変更がされた場合、正しく動作しない可能性が高くなります。

例えば、システムの変更や改修について、ロボットが操作対象としている画面構成が変更になった場合、人であれば推測や予想によって対応
することができますが、ロボットではそうはいきません。

この場合、システムの改修や変更におけるリスクを最小化する変更管理プロセスにおいて、ロボットの動作不良リスクを最小化するプロセス
を組み込む必要があります。

システム改修や変更などの要件が発生した場合、変更管理プロセスにおける、「変更のアセスメントと評価」のステップで、当該IT資産(システム)を「操作」している可能性のあるロボットを特定し、改修できるようにしておかなければなりません。

システムそのものの変更だけでなく、テストやリリースの各段階においても、ロボットも同期して対応することで、各々の変更リスクを最小化することができます。

下図にITIL®の変更管理プロセスとロボットとの関連性を示します。
ITSMツール「LMIS」の構成管理機能を活用して、整合性を担保し、リスクを最小化することができます。

変更管理プロセス、運用設計が重要

③「作業」と「仕事」を分ける

RPAを適用する業務プロセスにおいて、「作業」と「仕事」を分析し、どの作業をRPA化するかを明確にしていく必要があります。現在のRPAツールには、自律的な意思決定や判断する機能はありません。

業務プロセスを分析し、「作業」を明確にし、RPAツールに実装していく必要があるのです。

内部統制の観点からも、「承認」や「なりすまし」に該当するような作業をRPAツールに実装してはなりません。

悪意を持ってロボットを稼働させることがないよう、明確なルールやガイドラインを定め、開発・構築にあたるとともに、モニタリングの仕組みを構築しておく必要があります。

「作業」の例 「仕事」の例
● 内向き作業
● 頭を使わない(判断がない)
● 結果に向かう活動
● 手順が明確である
● 外向き、アイディアの創出
● コミュニケーションが必要
● 判断や思考によるアウトプット
● 結果を出す

まとめ

RPAブームが、これまでにもあった多くのITにかかわるブームと大きく異なるのは、IT部門や情報システム子会社ではなく、企業の経営層や事業部門の関心が非常に高いことです。

世の中の「働き方改革」の流れもあり、業務効率化の切り札として脚光を浴びています。
しかし、これまでのITブームと同じなのは、手段が目的化してしまい、成果の設計をしないまま、ツールを導入してしまうことによって、本来の目的が見失われてしまうことです。

そんな中、IT部門は何をするべきか。

IT部門は、ITの専門家として事業部門の期待に応えるチャンスです。
RPAの本質を見極め、「働き方改革」の実現に向けて、RPAという概念を活用し、事業部門の業務プロセスを改革するためのツー
ルや各種ソリューションを提供するべきと考えます。

ユニリタグループは、RPA導入に関するコンサルティングから各種ソリューション提供まで、幅広いサービスをご提供しています。
お気軽にご相談ください。

担当者紹介

藤原 達哉

株式会社
ビーエスピーソリューションズ
代表取締役社長
藤原 達哉

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