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基幹業務をクラウドに移行する企業はなぜ増えているのか

クラウドによるサービス形態の変化

これまでの基幹業務の運用形態は、自社内で運用する「オンプレミス型」、自社サーバを耐震性・電源の確保に優れたデータセンタで運用する「ハウジング型」、サーバだけでなく業務運
用も委託する「フルアウトソース型」といった運用形態が一般的でした。一方、クラウドサービスも、それまでのパブリッククラウドでのサービス提供中心のスタイルから変化が生じてきました。

それは、アプリケーションを構築して稼動させるフレームワークをサービスとして提供する「PaaS型」クラウド、ハードウェアやOSなどのプラットフォーム一式を提供する「IaaS型」クラウドといった提供スタイルです。OS内部で動作するデータベースなどのソフトウェアも事前に準備されており、利用した分だけ課金対象となるサービスが整っています。また、オンプレミスからこのようなクラウドサービスに基幹業務を移行する事例を多く目にするようになりました。

総務省「クラウドコンピューティング等のICT利活用に関する諸外国の政策等に係る調査研究」(2012年、2013年)によると、基幹業務でのクラウド利用は日本よりも米国の方が約2 ~ 3倍程度高いとされ、日本での利用も緩やかに増加すると予想されています。

出典:「平成24年版情報通信白書」(総務省)

クラウドの選択理由

コスト削減をテーマとする事例がクラウドベンダーから多数出ていますが、単にコストだけを考えると、データセンタから仮想OSを貸し出してもらう「専用サーバサービス」を利用したほうがコストを低く抑えられる場合もあります。では、何故クラウドを選択するのか、クラウドを利用するメリットとしてコスト削減やBCP対応もありますが、CPUやメモリ、HDD容量などのリソースを運用中に柔軟に変更できることが最大の選択理由として挙げられます。

クラウド検討における懸念事項

クラウド導入における最大の懸念事項は「セキュリティ」と言えます。基幹システムでは、多くの個人情報や機密情報を扱うことが多く、情報漏えいが発生した場合のビジネスインパクトは多大です。

クラウドは、特性上どこに実態があるのかわからないため、セキュリティ面の不安を拭えません。しかし、ISO 27001やISAE3402認証を含め10種類以上の認証プログラムを取得していることも多く、オンプレミスで独自にセキュリティを保持するよりも安全に運用できるとも考えられます。

また、運用拠点(リージョン)も日本国内で行うクラウド事業者が増えており、金融庁の指導で国内データセンタでの利用が必須であった金融業務での利用も進みつつあります。

クラウドで基幹業務を運用する価値

前述の通り、基幹システムをクラウド環境に移行することで得られる最大のメリットは「スケーラビリティを活かした業務量に応じた柔軟なリソースの変更」にあります。オンプレミスの業務量からピーク時に必要なリソースを想定しておけば、平常時には適したリソース量に減らし、固定費だった運用費を変動費化する事が可能になるのです。

このようにクラウドで基幹システムを運用する事で、ビジネスの規模に応じたリソースの増減を容易にし、過剰投資を防ぎ、機会損失を減らすことができます。そして、運用費用を固定費から変動費化することにより、投資の回収期間を短くすることが期待できます。

また、サービスとして継続的に提供されるため、ハードウェア、OS、アプリケーション等のEOS(End Of Support)のたびにシステムの再構築を行う必要がなく、予期せぬ機器の破損によるトラブルから解放されることのメリットについては既にご理解されている方も多いと思います。インフラの調達に手間がかからないといったこともクラウドインフラを活用する上での大きなメリットになります。

ユニリタが提供する『帳票クラウド』サービス

ユニリタは、2013年にITシステムのインフラから各種運用管理機能までをサービス化して提供するクラウドサービス「Be.Cloud」をリリースしました。

「Be.Cloud」は、クラウドベンダーが提供するクラウド基盤上に、ユニリタがこれまでお客様に提供してきたアプリケーションと運用ノウハウをサービスとして提供する事を目的にスタートしました。

クラウドインフラは実績のあるパートナーに委託し、ユニリタは得意とする運用サービスの提供を行う、お互いの得意とする領域を融合したハイブリットのサービス提供スタイルを実現しており、お客様に安心してご利用いただけるのが特徴です。

この「Be.Cloud」を利用した、クラウド環境における帳票基盤として、2015年6月に「帳票クラウド」サービスをリリースしました。

高可用性を実現する「帳票クラウド」

クラウド上で帳票基盤を独立化。上位システムや出力先を問わず、帳票システムの構築が可能。

「帳票クラウド」は、数多くの導入実績を誇るユニリタの帳票製品を月額サービス形態にてご利用いただく新しいサービスです。現在の帳票活用は電子化が進んでいますが、日本ではまだまだ印刷ニーズが多く、クラウド化には最も不向きだと思われがちです。しかし、基幹業務のクラウド化は帳票運用から順次移行していくのが実は理想的なのです。

メインフレーム全盛のころは、メインフレームに業務が集約されていましたが、現在のシステム構成は複数のオープンサーバの集合体で成り立っています。業務の中心に基幹業務サーバを配置し、機能ごとに各種サーバにて分散運用を行っているのが一般的です。

基幹業務の変動費化、保有から利用への移行のために基幹業務のクラウド化を行う場合、いきなり中心となる基幹業務サーバから移行する事は、まず有りえないと言えるでしょう。

ユニリタでは、帳票システムはシステムごとに構築するのではなく、帳票基盤を構築して、上位システムとプリンタ・電子帳票等の出力機能の独立化を行うことで、変化に強い帳票出力環境の構築をご提案してきました。

「帳票クラウド」は、この帳票基盤をオンプレミスでの構築ではなく、サービスとして提供いたします。帳票出力はピーク時と平常時で業務量に大きく差が生じる事が多いのが現状です。柔軟な拡張性を持ったクラウドを利用することで最適なコストで運用を行う事ができます。

さまざまな帳票ニーズに応える「帳票クラウド」

近ごろはスマートフォンやタブレットの急速な普及により、場所や通信環境を選ばない情報収集要求が高まっています。

オンプレミス環境から社外への情報公開のインフラを再構築して情報公開を行うのは、インフラ環境の再整備やセキュリティ対策など多くの工数とリスクを伴います。クラウドに情報活用基盤を構築することで、このようなユーザニーズの変化に対しても柔軟かつセキュアな情報インフラを構築することができます。

また、「帳票クラウド」を介した印刷アウトソーサへの請求書等の大量印刷の委託、社内プリンタでの少量印刷、といった業務も社内とVPN接続環境を構築する事で実現できます。まさに社内にサーバがある感覚で、帳票基盤をクラウドにもつことができるのです。帳票出力は、一般的に業務の最終段階に位置することが多くあります。この最終業務部分から、順次オンプレミスとの切り離しをおこなうことが理想的なクラウド化の第一歩となります。

「帳票クラウド」の利用事例と今後の展望

「帳票クラウド」は、大量印刷を請け負う印刷事業社様をファーストユーザとしてスタートしました。自社でサーバを維持管理せず利用できる高度なサービスを武器に、多くのお客様業務の受注に活用いただいています。

また、他のお客様では、オンプレミス帳票基盤の開発機としての帳票クラウドの利用も始まり、様々な利用スタイルでの活用が始まっています。

今後も様々な業務に適応できる帳票サービスとして、幅広いお客様にご利用いただけるようなサービスに成長させていきます。これからのユニリタのクラウドサービスにご期待ください。

担当者紹介

小柳 晶

プロダクト事業本部
カスタマーサービス部
プリセールスグループ
小柳 晶

ユニリタの前身であるビーエスピーに新卒で入社後、プロダクト開発、プロダクト周辺システム構築、WEBシステムの受託開発を経験。現在は帳票製品を主としたプリセールスとして、お客様システムの業務改善を目的とした提案活動を行っています。今後は帳票領域に留まらず、お客様業務効率を改善するソリューションをご提案していきます。

製品・サービス

帳票基盤のクラウド化を実現する雲票(うんぴょう)

帳票システムをもっと、軽く、しなやかに、カンタンにを実現するために、企画・設計・開発・運用・保管・管理など、企業の帳票業務に有効な機能を、必要なときに必要な分だけ利用できるこれまでの帳票パッケージやツールとは全く違う、新しい帳票クラウドサービスです。また、アウトソーシングやさまざまな SaaS と組み合わせることで、さらに柔軟かつ手軽な帳票運用を実現します。

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