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コスト部門からの脱却 情報システムはプロフィット部門に!! 「攻めのIT」による企業価値向上と売上の拡大へ

近時、クラウド、モバイル、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャルを柱とした「第3 のプラットフォーム」による技術革新が見受けられます。いわゆる、アジリティを追求した「攻めのIT」として、事業部門やマーケティング部門をはじめとするユーザ部門での利用が進んでいます。

これらの技術は、企業価値向上や利益拡大などを図るために必要なIT とされています。情報システム部門が役割を担う基幹システムには必ずしも必要無いものの、企業およびユーザ部門がこれらの技術を安心して利用するためには、情報システム部門がイニシアティブを取って技術選定する必要があると考えます。

本コラムでは、「守りと維持のIT」、「攻めのIT」を詳解するとともに、情報システム部門がどのように関与するべきかを考察していきます。

情報システム部門の現状

エンタープライズの情報システム部門は、主に「守りのIT」と「維持のIT」を担っています。情報システム部門が管理しているのは、止まることが許されない会計システムや生産管理などの基幹システムと言われるものであり、企業が正常な状態で運営されていくために必要なITです。これらのITは、安定と安心が最大のテーマであり、決められた手順で決められた通りのことを行う特性が存在します。つまり、変えることに対するリスクは存在するが、最新技術の採用などによるリターンは基本的に存在せず、安心できる枯れた技術の採用が殆どです。

情報システム部門の役割は、長い年月を掛け「守りのIT」と「維持のIT」へと辿り着いたことで、結果的にコスト部門と言われる組織になってしまいました。一方で標準化、効率化を図ってサービスの自動化を実現し、汎用化した仕組みを外部へと委託することでコストを削減し、最小限の人員で対応できるよう取り組んできた結果という見方もできます。

事業部門やマーケティング部門が求める最新のIT

事業部門やマーケティング部門は、売上拡大や企業価値の向上が組織の目的であり、その目的を実現するための手段として最新のITを利用したいと考えています。特にクラウドによるITサービスの利用が加速したことで、ITへの期待がビジネス寄りに変わってきています。この状況において、企業内の情報システム部門が関わっているかというと、残念ながら関わっていないケースが多くみられます。

エンタープライズの情報システム部門が担う役割は、前項で述べたように「守りのIT」と「維持のIT」であり、これらITは枯れた技術で標準化されたルールが絶対的な条件となっています。事業部門やマーケティング部門などの組織が新しいITを採用して取り組みたいことが、情報システムの担ってきたITのポリシーやルールと合わなくなってきているのが現状です。

繰り返しになりますが、事業部門やマーケティング部門はITが目的ではなく、売上拡大や企業価値の向上を実現するための手段として最新のITを活用したいと考えています。最近では、このような取り組みが「攻めのIT」と呼ばれています。

情報システム部門は、主に企業を支えるバックオフィスをIT化した基幹システムに対する役割を担っており、システムを止めることなく維持し続けることが目的です。この様に、事業部門やマーケティング部門と情報システム部門との間でITに対する目的のズレが生じ始めています。以下の図-1は、「攻め」と「守り」と「維持」でITに対する目的や役割の違いを整理した図になります。

「攻め」と「守り」と「維持」のIT

「攻めのIT」が必要としている最新技術

「攻めのIT」と「守りと維持のIT」では、アプリケーションのペース(アプリケーションの変更頻度)が異なると言われています。枯れた技術で実績が多数存在し大手メーカーやベンダーによって提供される技術は、「守りと維持のIT」において重要な要素であり、アプリケーションも大規模なウォーターフォール型で開発され、最低でも5年は稼働し、長期に利用されるアプリケーションとなるのが一般的です。

逆に「攻めのIT」は、小さく試して効果や成果を確認しながらアジャイル的に取り組まれます。取り組み当初から長期間稼働することは想定しておらず、状況の変化へと俊敏に対応できることを重要視していることもあり、「守りと維持のIT」に比べるとアプリケーションのペースが早いと言われています。そのため、費用も最低限に抑え、早く結果や成果をだすことを目的に取り組まれています。また、利用技術もオープンソース活用が多くプラットフォームはクラウドとなるケースが殆どです。

アプリケーションを3つのカテゴリ、つまりレイヤ(層)で定義することで、企業はアプリケーションのタイプを区別し、各レイヤに応じた適切なシステムの戦略を策定しやすくなるとして、米国の調査会社ガートナーが定義したものが「アプリケーションのペース・レイヤリング」と言われています。以下の図-2は、ガートナーの資料を参考に当社が作成したイメージ図となります。

アプリケーションのペース・レイヤリング

アプリケーションのペース・レイヤリングを参考に、利用技術の違いを整理してみました。エンタープライズでの採用が多い商用の製品、攻めのITで利用が増加している各種オープンソースやクラウドなどを具体的な製品イメージで利用技術の違いで整理すると、アプリケーションだけでなく利用技術におけるペースの違いも良く見えてくるのが以下の図-3となります。

利用技術の違い

情報システム部門がプロフィット化していくために

「攻めのIT」は、売上拡大や企業価値の向上を目的に、ITを手段として取り入れ、事業部門やマーケティング部門が取り組みを始めています。改めて、「攻めのIT」における特徴を以下に整理します。

  • 組織 : 事業部門、マーケティング部門
  • 目的 : 売上の拡大、企業価値向上 (ITは、目的を実現するための手段 )
  • 技術 : ペース(アプリケーションの変更頻度)が早いことに対応可能なOSS、SaaS、クラウド

事業部門やマーケティング部門はITが目的ではなく手段であるため、システムを長期的に維持管理していくことは想定していません。

「攻めのIT」として取り組んだアプリケーションの成果が出ると、システムはスケールアップされ早いペースで変更を繰り返し、最終的に継続的な成果を出すための基幹システムに近いアプリケーションへ変化していきます。つまり、アプリケーションのペース・レイヤリングにおいても「守りと維持のIT」へ変化します。この段階まで辿り着くと、システムとしては安定稼働が重要な要素となり、情報システム部門は長年の実績で積み上げた標準化や効率化への取り組みが必要となります。この段階まで変化することを見据え、「攻めのIT」への取り組み当初から情報システム部門がイニシアティブを取った技術選定を行うべきであると考えます。例えば、最低でも以下のポイントを満たすことができれば、積極的な技術採用が可能ではないかと考えられます。

  • 保守 : ベンダーやメーカーが開発したOSSツールであり、開発元のサポートが提供されていること
  • 利用 : 利用自体は無料であり、ダウンロードして何時でも利用可能であること
  • 実績 : 多数のエンタープライズで採用された実績が豊富であること
  • 言語 : ドキュメントが日本語であり、日本語での問い合わせが可能であること

企業内におけるIT技術の選定にイニシアティブを取り、標準化と効率化による維持管理を実現、かつ「攻めのIT」に必要なスピードが出せる技術選定を行う。この役割を担うことが、これからの情報システム部門をプロフィット化していくために必要な変革になると考えます。

ユニリタでは、最新技術をエンタープライズの情報システム部門でも採用可能とする取り組みを開始しております。エンタープライズの基幹システムにおいてはジョブ管理製品の利用が必要不可欠であり、ユニリタでも「A-AUTO」を提供しています。しかし、「攻めのIT」において、ジョブ管理製品は調達時のコストやジョブ管理のための管理など、アプリケーションに対するペースや機能が合わないと言われています。しかしながら、サーバ間のプロセスは連携したいといったニーズが存在するため、このアンマッチなニーズに対し、サーバ間のプロセス連携をコードで記述し制御するOSSツールとして、「GoCuto(ゴーキュート)」を自社開発し、リリースいたしました。その他、各種OSSツール利用のために必要となる利用技術の汎用化など、最新技術の採用を支援しております。情報システム部門のプロフィット化に向け、お気軽にご相談ください。

担当者紹介

結城 淳

執行役員
プロダクト事業本部
新自動化グループ長
結城 淳

エンタープライズにおける積極的なオープンソースの活用をご支援いたします。

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