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デジタルトランスフォーメーションに必要な技術とは?Vol.1 ~クラウドサービスは「まことに日に新たなり」~

昨今、デジタルエコノミー、デジタルトランスフォーメーション(DX)、シェアリングエコノミー、攻めのITなどの言葉が業界を駆け巡っています。デジタル化については90年代後半から盛り上がりを見せていましたが、現在のブームは従来のものと何が違うのでしょうか?

従来のものは、どちらかというとアマゾンに代表されるようなB2C向けのECサイトが多く見受けられました。しかし、現在のデジタルエコノミーは、GE(ゼネラル・エレクトリック)のインダストリアルインターネットやクボタのスマートアグリシステムのように、製品とクラウドをつなげ、IoTや人工知能といった最新のテクノロジーを活用して、製品とクラウドサービスが持続的にビジネスを作り、他社からの参入が難しくなるところが従来のものと違います。

この現在のデジタルエコノミーをものにするために、企業は幾つかの先端テクノロジーを身につけなければなりません。「その技術とはいかなるものか」、また「ユニリタはお客様にどの様なテクノロジーを提供できるのか?」を説明したいと思います。第1回目は、「クラウドサービスはまことに日に新たなり」です。

「苟(まこと)に日に新たに、 日日に新たに、又日に新たなり」

これは中国の古典に出てくる言葉です。今日の行いは昨日よりも新しくよくなり、明日の行いは今日よりも新しくよくなるように修養に心がけねばならないという意味です。

我々は多くの技術者達が発見したり、発明したりする技術の恩恵を受けて生活をしています。そして、それは後世の人にも新しい技術を残していかなければならないことを意味しています。昨日よりも今日の技術は進歩しており、今日よりも明日のほうが少しずつでもいいので進歩していなければならないということです。

 

我々ソフトウェアメーカーは、これまで人間が関わらなければできなかった仕事をコンピュータで自動化してきました。大量の物流伝票の出力は物流センター、積荷、顧客ごとに仕分けされて出てくるため、トラックへの積み込みが簡単にできるようになりました。それができるまでは、人間の経験や直感に頼ってきたので多くの情報を一度に処理することはできませんでした。ソフトウェアは企業活動の生産性を少しずつ向上させてきたのです。

前回のコラム(ユニリタマガジン2015年11月号)で話題にした人工知能もそうです。アラン・チューニングの頃から知性を持ったコンピュータは議論をされており、これまで多くの人たちが関わってきて、今の人工知能に至っています。GoogleのAlphaGoも技術をずっと遡っていくとコンピュータの発明にまでさかのぼる事になります。

クラウドは日々進化している象徴である

企業は長くウォーターフォール型のソフトウェア開発を行ってきました。ウォーターフォール(滝)は、その名の通り「上流から下流」に仕事が流れることを意味します。1回の開発プロセスで1つのバージョンが出来上がり、そして1つの本番展開(デプロイ)が行われます。システムの規模にもよりますが、通常は6 ヶ月とか1年の期間で開発が行われます。

しかし、さまざまなシステムがクラウドで利用できるようになると、競争が激しくなり、できれば新しい仕組みをどんどんリリースしたくなります。むしろ、利用者(ユーザ)が頻繁にシステムの改善を好むようになりました。今日のクラウドサービスは昨日のクラウドサービスとは違う。明日のクラウドサービスは今日のクラウドサービスとは違う。日々改善されるサイクルがクラウドサービスにより作られてきました。それは、インフラからサービスレイヤーに至るまで、全てのクラウドサービスの特徴です。まさに「日に新たなり」です。

5年前、10年前のIaaSのインフラを覚えているでしょうか?当時のサービスと今のサービスでは比べ物にならないほど進歩しています。それは突然進歩したものではなく、毎日の努力によって積み重ねられてきたものです。アマゾンのECサイトは、最初は本の販売をしていました。それがあらゆるものの販売を始めるようになり、今や音楽のダウンロードや電子書籍、ビデオなど販売の仕方も変わりました。これにより、システムも当初のシステムとは別物と思われるぐらい進化してきています。

アジャイル開発もまた「まことに日に新たなり」

アジャイルの1つの手法であるスクラム開発では、スプリントという単位に区切って開発を行います。1スプリントを1週間か2週間に設定しますが、その単位で、計画、設計、コーディング、テスト、レビューを行います。これらが1、2週間の期間内で行われるのです。 ウォーターフォール開発では1、2週間で全ての工程を回すことは考えられないと思いますが、アジャイル開発では可能です。そして、スプリントのレビュー時には実際に動くデモをプロダクトオーナに見せなければなりません。プロダクトオーナはそこで判断して、そのスプリントで開発した機能が、お客様に十分に受け入れられるものであるのならば、リリースを決断することもできます。つまり、スクラム開発ではリリースをスプリント単位(1週間か2週間)で行うことが可能なわけです。このスクラム開発が複数のグループに分散して開発された場合には、サービスのリリースはデイリーで行われることになります。つまり、アジャイルも、「日に新たなり」を実践する道具となります。

アジャイルとDevOpsはペアで考える

しかし、アジャイル開発だけでは不十分です。何故ならば、いくらアジャイルで開発を回すことができても、それをお客様に届けることができなければ何の意味もありません。実際には、その機能をリリースして初めてお客様はその価値を受けるのです。

DevOpsは、単なる開発と運用の融合ではありません。ビジネスの変化をとらえて、臨機応変にシステムをリリースする仕組みの事を言います。昨今は、直接顧客への関わりが必要な、いわゆる「攻めのIT」と呼ばれるシステムが多くなってきています。この場合、顧客の変化をとらえてシステムを柔軟に変更する必要があります。自分たちが提供しているサービスがお客様に受け入れられているかどうかは気になります。お客様の要望をアンケートとして取得して、それを開発に活かすことも必要ですが、大変時間がかかります。そこで、クラウドの特徴を利用しましょう。クラウドは利用者と直接つながることができます。ユーザの行動を知るためにアクセスログを取り、それを分析します。分析は前回のコラムにありました人工知能を使いましょう。人工知能を使ったシステムでは、システムが機械的に学ぶために、データが増えることで分析の精度も上がってきます。

アジャイルとDevOpsはペアで考える

ここで注目したいのは、計画、開発、展開、分析のサイクルをできるだけ自動化し短いサイクルで回すことです。実はDevOpsの本質はここにあります。つまりDevOpsこそ、システムの「日に新た」を実現する為の手法であることがわかります。それも、顧客を巻き込んだ「日に新たなり」が実現します。

ユニリタのDXプラットフォーム

トーマスエジソンは「天才とは1%のインスピレーションと99%の努力からなる」と言っています。地道な努力ができる才能を持った人が天才であるとも言えるのですが、地道な努力とは、一つひとつの課題をクリアしていくことに他なりません。クラウドサービスはその努力が形になると言っても過言ではないでしょう。クラウドを使い、アジャイルで開発をし、DevOpsで提供する事こそ今のITの本質です。

ユニリタはこの努力を形にするプラットフォームをリリースする予定です。クラウドではアジャイルでDevOpsなプラットフォームが必要となります。

アジャイルでDevOpsなシステムを作成するには素早くプロトタイプが構築できなければなりません。そのためには、ユーザ認証やパスワード変更といった、どのシステムにも必要となる仕組みはプラットフォーム側のものが利用できれば、それらの開発コストが低減できます。本番にデプロイするための仕組みを構築するのも時間がかかります。クラウドサービスは24時間365日で動くシステムが多いため、稼働させながらデプロイする環境を構築するには意外と時間がかかります。プロトタイプができて、ビジネスが軌道に乗り始めると、システムを他社に販売するかもしれません。その時には課金情報が必要になりますし、サービスを管理するための仕組みも必要になります。これらは、利用者が直接操作する部分ではありませんが、お客様が自らシステムを管理するためには必要な機能です。上記でも説明しましたが、利用者が増えてくると、利用者の動向を分析したくなります。その場合には、さまざまなログを収集して、それを加工し、分析しなければなりません。それは、デイリーで収集する必要があるかもしれませんし、また何かのイベントが発生した時に収集するかもしれません。この時に、データ収集、自動化、オープンソースを利用してきたノウハウをお客様に提供することができるでしょう。

ユニリタのDXプラットフォーム

ユニリタのプラットフォームの特徴は、他社が開発した部品を利用できる点です。例えば上記図内の「infoScoop Smart×Portal」では動画を使ったコミュニケーション基盤を提供しています。この仕組みはユニリタが提供しますが、このような仕組みは他の会社が作った部品でも構いません。例えば、Google Mapを使った情報活用の部品をどこかの会社が提供することも考えられますが、ユニリタのプラットフォームでは、それらはお互いに利用し合うことができます。ユニリタはクラウド上でさまざまな企業が作った部品をお互いに利用し合う、「水平分散型協調クラウドサービス」をコンセプトの1つとして開発を進めています。

ご興味のあるお客様は是非、ユニリタBe.Cloudグループ、またはマーケティングループまでご連絡ください。お互い成長し合うことができるビジネス協調を目指してまいります。

担当者紹介

執行役員 プロダクト事業本部
Be.Cloudグループ長
戌亥 稔

クラウド事業を担当している野球とゴルフ好きの2 児の父親です。ゴルフのスコアはあまり良くなりませんが、最近飛距離が伸びました。iPhone は2008 年に3G が出てから、ずっと使っているガジェット好きの技術者です。

製品・サービス

情報活用の側面からワークスタイルの変革を支援する infoScoop

情報活用の側面からワークスタイルの変革を支援する infoScoop

infoScoopは、「情報洪水からの脱却」 「情報へのスピーディなアクセス」を目的として開発した企業向け情報ポータル(EIP)です。 最新のinfoScoop Cloud Enterprise V4では、スマートデバイスにおける機能性と利便性をさらに高め、エンタープライズレベルの運用、管理を想定したセキュリティ機能の強化を図り、いつでもどこでも安全に必要な情報へ素早くアクセスできます。

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