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新しい技術の活用で自動化の課題を簡単に解決 ~ローリスク・ローコストで最大効果を発揮するために~

第3 回目となりました本コラムですが、1 回目では新しいOSS 技術の活用による「攻めのIT」への取組み、2 回目はOSS 技術の利用効果などを紹介してきました。3 回目となる今回は情報システム部門における自動化の課題を共有しながら、新しい技術による具体的な解決手法をケースを交えてご紹介していきます。

近年、エンタープライズ企業における基幹業務システム(SAP など) のクラウド移行といった声も多く聞こえるようになってきました。ビジネススピードが加速する中、システムも追従していくためには、クラウドなどを含めた新しい技術の活用が必要不可欠となってきています。今回は、ローリスク、ローコストで最大の効果を発揮する「新しい技術による自動化の実現」を考察します。

1. 古くから続く基幹業務に求められる自動化

古くはメインフレームで構築された会計システムや生産管理といった基幹システムは、長い時間を経て企業の仮想基盤やプライベートクラウドによるオープン環境への移行が一般化しつつあります。これら基幹システムに必要となるバッチ業務の自動化はジョブ管理ツールによって構築されるのが一般的です。ユニリタのジョブ管理ツール「A-AUTO」も多くのお客様に導入いただいています。

基幹業務システムは安心・安定による稼働が大前提であり、止まることが許されません。つまり、ジョブ管理ツールも基幹業務システム同様に長く稼働することを前提として、多くの実績と万全のサポートサービス、安定した技術が準備されていなければ採用されることが難しい領域です。基幹業務システムにおいては、このような考え方が正しいとされており、基本的には今後も変わらないと考えられます。

2. 自動化に求められる新たな課題

基幹業務システムで長年にわたって標準化された技術やツールは簡単には変えることのできない大事な資産であり、今後も重要視され続けるものです。しかし、インフラの増加に比例して増える社内システムや、ビジネススピードへと追従する新たなシステムに求められる自動化の課題が少し変化してきているようです。具体的には以下のような課題を耳にするようになりました。

図1:変化した自動化に関する課題

  1. ジョブ管理ツールでなくて良い場面でも、「標準」という理由から高額なコストでジョブ管理ツールを採用している
  2. 大量サーバへのジョブ制御や連携を実現したいが、基幹業務ではないため高額な投資はできない
  3. 継続性や規模の予測できない短期的なシステムが稼働するインフラに対しても自動化を実現したい

①は基幹業務システムを運用している現場において、「標準化」されたツールのライセンスが増加し続けていることが課題となっています。「標準化」は重要ですが、システム運用の成熟度が高まっていれば、全て同じサービスレベルでである必要はないかもしれません。

②は社内システムの増加や業務拡大などで増加し続けるインフラに対する自動化の課題です。実現すべき自動化は単純なものの、対象の数が多すぎるため、商用のジョブ管理ツールなどを利用することで高額になってしまうことが課題です。

③はビジネスに対するIT化における課題です。IoTへの取組みを例にすると、「どれだけ継続するか判断できない」、「どれだけインフラを拡大するか予測できない」、といったケースにおいても、インフラを維持管理していく役割は必要です。このような維持管理や、稼働するアプリケーションのインスタンス(仮想サーバ)をまたがったデータ連携などの課題解決に対して商用のジョブ管理ツールを購入するかというと、「先が予測できない」、「初期投資が大きすぎる」ということが課題となり、採用に至らないのが一般的です。

図1の課題①~③を整理すると、「コスト増加の抑止」、「ローコストでの課題解決」、「短期的な利用と効果の確認」が1つの解になるのではないでしょうか。まさにクラウド時代におけるアジリティ(敏捷性)の高い課題解決が求められているのではないかと考えられます。

3. ローリスク・ローコストで  試しながら課題を解決

第2回目のコラムでも書きましたが、「アジリティの高い課題解決」とは、新しい技術を目的に合わせて効果的に活用することになるのではないでしょうか。基幹業務システムで培った安心・安定な技術や標準化は、今まで通り、基幹業務システムで利用され続けます。

新たな取組みに対する課題には、アジリティが高い、将来の環境変化への影響が低いローリスクでローコストな解決手法でスモールスタートするべきと考えます。

ケース

基幹業務システムをSAPにて安定運用されているお客様にて、新たな自動化の課題が発生しました。基幹業務とは別に社内の様々な仕組みがIT化され、メンテナンス対象のサーバが100台近くまで膨れ上がり、メンテナンスの自動化(休日出勤の廃止)が課題となりました。この課題に対して、基幹業務で採用するジョブ管理ツールではコストが高額となるため断念。続いて、一般的なOSSの運用管理ツールを検討しましたが、サービス費用(設計、導入、構築、技術サポート、保守)を含めると高額になってしまいこれも断念。諦めかけていたところにユニリタが提案した解決策が「新しい技術の利用によるローリスク・ローコストな課題解決」でした。

課題解決のための提案は、新しい技術を取り入れたOSSツールです。ライセンス費が無償であり、利用もダウンロードにて必要な時に自由に使えため、メンテナンス対象の増減に対するリスクとコストを抑えることができています。

なお、基幹システム同等の要件を求められるスケジュールやモニタリングといった機能は商用ツールにて提供しています。

課題解決に利用したOSSツールは、ユニリタが開発し提供するGoCuto(ゴーキュート)です。お客様の課題は100台近い各サーバに存在するメンテナンス用の数ジョブを実行制御し、休日出勤による確認作業を止めることでした。ジョブ制御の事前検証は、GoCutoをダウンロードして確認。検証結果をもって商用ジョブ管理ツールでスケジュール情報を作成し、図2のイメージで大量サーバへのメンテナンスを自動化しました。毎月数万円の費用のみで自動化環境を短期間で構築できた事例となります。

4. 適応ケース

①大量サーバ、大量インスタンスへのジョブ実行
店舗サーバ、事業所サーバなど全国各地に設置される環境への同時ジョブ実行、ジョブ連携などを自動化。売上集計、バックアップなど、大量な実行環境への一括ジョブ実行とモニタリングを簡単かつ短期に実現します。

②変更作業の自動化
アプリケーションの変更作業など、手順書を作成し検証して本番適用といったメンテナンス作業の本番適応を自動化。人手による本番環境での作業ミス防止、Wチェック体制からの解放などの効果を得られます。

③クラウドインフラの自動化とアプリケーション連携
AWS利用時に必要な「EBSのスナップショット」や「AMI作成」などをスケジュール制御して自動化。クラウドインフラの自動化と共に、EC2上で稼働するアプリケーションとのジョブ連携によりアプリケーションからインフラまで一気通貫な自動化を簡単に実現します。

「ビジネスが要求するスピードに既存のITが追い付かない」といった声を多く聞くようになりました。今回ご紹介したものはほんの一例となりますが、新しい技術の活用でできることは大きく広がります。ローリスク・ローコストで成果を確かめながら進めることで、最大効果を発揮できるユニリタのサービスを是非お試しください。

担当者紹介

執行役員 プロダクト事業本部 新自動化グループ長
結城 淳

エンタープライズにおける積極的なオープンソースの活用を支援いたします。

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