【業務課題解決ソリューション 課題編】 it’s YOUR turn! ~今、IT 部門に求められていることとは?~

この5 年間でIT の技術や情報量は、過去にないスピードで急速な進化と拡大を遂げています。経営層や事業部門のIT への期待も高まり、従来の業務効率化やコスト削減のみならず、いかにして企業の事業拡大に貢献するかが求められています。これまでにも、IT による事業拡大という議論はありましたが、どちらかというとIT 部門発のメッセージであったように思われます。しかし、昨今は、経営層や事業部門からのIT に対する期待が高まっていると言えます。今月号は、これらの期待にIT 部門が応えるための課題を整理したいと思います。
IT部門が何をやっているか分からない
現状、経営層や事業部門から見るとIT 部門の仕事は分かり難いものであると言えるのではないでしょうか。IT による売上や、実際の業務にどのように貢献しているかがレポートできていないためと考えられます。事業部門の要件をヒアリングし、システム化して提供するといったこれまでのIT 部門としての機能だけでは、経営層や事業部門の期待には応えられなくなっているのです。
さらに、IT 部門に対するネガティブな反応も出てきています。「相談すると時間がかかる」、「IT 部門は忙しそうだから」、「専門用語ばかりで何を言っているか分からない」、「ルールや統制、制約ばかり言って歩み寄らない」などです。
経営層、事業部門とIT部門とのギャップ
これは昔からある課題ですが、経営層や事業部門とIT 部門のコミュニケーションギャップが大きな課題です。IT 部門は自社の事業内容をより深く理解し、経営層や事業部門が理解できるように説明していかなければなりませんが、これまでの考え方やルールに捉われがちです。
また、昨今の技術革新により、各種IT サービスがクラウドで利用可能になったことで、オンプレミス時代のようにIT 部門に依頼しなくてもIT 活用が可能になりました。つまり、企業の事業部門はIT 部門に相談することなく、アイディアさえあれば、IT を利用することが可能になってきているのです。
ITに対する期待の変化

経営層もこの時代の流れの中でIT が分からないとは言っていられなくなりました。経営者自らが、IT 部門に対してIoT、AI、VR/AR といった新しい技術が自社においてどのように使えるのか、ビジネスにどのように役立つかを検討し提案するよう指示を出すなど、その活用を模索し始めています。IT によるイノベーションは、簡単ではありませんが、少なくともチャレンジは続けていかなければなりません。
経営層や事業部門においても、市場におけるスマートフォンやモバイルデバイスなどの普及によって、I T 部門でなくとも、社員のI T リテラシーは確実に高まっています。若手社員を中心に、学生時代からIT に慣れ親しんだデジタルネイティブ世代が企業に社会人として入社してきているのです。
今、IT部門に求められていることとは?
経営者は、IT の重要性や必要性を認識し、IT 活用を進めたいがコストも削減したい。事業部門もIT 活用によって、顧客の期待に応える製品やサービスを開発・提供し、自部門の業績を伸ばしたいという考えがあります。
では、IT 部門は何をすればよいのか。現在のIT 部門が提供しているサービスや業務のQCD を落とすことなく、より企業の戦略に応えるだけの企画・計画の立案と実装が求められています。例えば、企業の経営3 か年計画に適合するIT 部門の3 か年計画の立案などが挙げられます。経営層から実際にこのような指示がIT 部門に出される例が増えてきています。
これらのIT 部門に求められていることにいかにして対応するか、次号の「解決編」でその対策を考えていきます。
担当者紹介

株式会社ビーエスピーソリューションズ
取締役
藤原 達哉
製品・サービス
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