レガシーシステムのデータをクラウドへ
~どうしますか?撤廃するシステムの過去データ~
ビジネス戦略やシステムの老朽化、または担当技術者の人員不足などの課題により、レガシーシステムのマイグレーションを検討されるお客様が増えています。しかし、実際にマイグレーションを実施する際には、販売管理、生産管理といった業務システムの一部のデータが新システムに移行できず、旧システムと新システムを並行運用することになり、結果的に運用コストが増加してしまったといった課題を抱えているお客様も少なくありません。
ユニリタでは、このようなお客様の課題を解決するため、容易にデータ抽出基盤を構築することができる「オフコンデータ TO クラウド」ソリューションを提供しています。
事業拡大によるシステムの見直し
企業において事業を拡大する方向性としては、「新市場開拓」、「多角化経営」などが挙げられます。例えば、「新市場開拓」戦略としては、今後人口減により市場が縮小していくとみられる日本よりは、海外に活路を見出そうという企業が増えています。
海外進出では、国によって異なる商習慣に対応する必要があり、システムやIT統制の仕様変更により現行システムの見直しが必要になります。
また、「多角化経営」戦略は、既存事業のほかに新規事業で事業領域を拡大していくことですが、新規に事業を立ち上げ軌道に乗せるには時間がかかるので、M&Aにより効率よく事業を拡大する日本企業も増えています。
この際も、親会社となる会社のシステムに統合していくのか、新規に開発していくのか、または、システムは共存しデータ連携のみを仕組みとして開発するかなどの選択肢があり、どの方式を選択するかにより影響範囲は変わってきますが、現行システムの改修は必要となります。
運用課題によるシステムの見直し
一方、現行のシステム運用における課題から検討を行っているケースもみられます。
まずは、現行システムを保守運用していくIT人材の確保という問題があります。現行システムを維持していくために必要なナレッジやノウハウを持つ人材は、今後高齢化などに伴い減少していくため、新しい技術によるシステムの運用体制を検討していく必要があると言われています。
また、稼働しているマシンならびにソフトウェアのサポート期限も問題となります。日立製作所やNECは、メインフレーム事業ならびにオフコン事業から撤退を行っています。また、IBMもPOWER7搭載モデルの保守の停止を発表しており、このようなハードウェアベンダーの状況からもレガシーシステムの見直しは今後も進んでいくと思われます。
ケーススタディ
課題
中堅素材メーカーA社では、1990年代初頭にオフコンを導入し、自社のシステムのほとんどをオフコンで構築していました。
数年前にM&Aで外資系企業の傘下となり、親会社からの出向役員・メンバーが主体となって、業務改革やシステム統合に向けた多数のプロジェクトが立ち上がっていました。
システムについては、親会社がグローバルで展開するERPパッケージへの統合が決まっており、このERPに詳しいベンダーによるシステム統合プロジェクトが10ヶ月のスケジュールで進められていました。また、このシステム統合に伴いA社のオフコンは完全撤廃の方針が出されていました。
A社の販売管理システムはさまざまなカスタマイズが施されており、ERPパッケージへの移行は問題が山積していました。
これらの対応についてベンダーと交渉を重ねましたが、スケジュールと費用の面で調整がつかず、一部の機能についてはERPパッケージの標準機能を使うことで進めていました。
また、移行対象データの一部は不整合が発生したため、ERPパッケージへの移行は容易ではなく、追加対応の費用はかなり膨らむとの説明があり、過去データの参照方法について対応を迫られていました。
現行のオフコンを維持することも検討しましたが、過去の取引情報の確認のためだけに支払う費用としては高額なため、別の方法を調査することになりました。
対策
調査の結果、オフコン上の過去データはオープン系のデータベースに移行しデータ抽出ツールを利用することで対応できることがわかり、ユニリタに相談しました。
そこで紹介された「オフコンデータ TO クラウド」ソリューションは、事業部門のメンバーでも簡単に扱え、別途マシンを購入する必要がないクラウドサービスのため、低コストで、しかも迅速にデータ抽出基盤を構築できることがわかりました。また、懸念されていた外字もそのまま移行できることもわかり、課題であった過去の取引情報の参照業務も解決することができました。
効果
短期間でクラウドに移行することができ、オフコンを並行稼働した場合の運用コストと比較して1/3に抑えることができました。
また、データを取得するまでの手順がシンプルなため、従来のようにIT部門に依頼することなく、事業部門の利用者が自らデータを取得したいタイミングで取得できるようになり、IT部門と現場部門の双方で大幅な業務の効率化を実現しました。
「オフコンデータ TO クラウド」
ソリューションのポイント
「オフコンデータ TO クラウド」ソリューションでは、レガシーシステムのデータをクラウド上のデータ抽出基盤へ移行し、簡単にアクセスできる環境を提供します。本ソリューションのポイントは、次のとおりです。
過去データはそのまま移行
データの構造はそのまま。必要な変換(コード変換、データ型変換)だけをツールを利用して行います。このため、移行期間を短くすることが可能です。
利用者の操作性向上
通常、オフコンからのデータ抽出には、エミュレータからアプリケーションを立ち上げ抽出条件を設定するなど煩雑な操作が必要ですが、本ソリューションでは登録されている条件よりワンクリックでデータを取得できます。
運用コストの削減
レガシーシステムのハードウェアの撤去により、維持費、運用工数、保守費を削減できます。また、保守要員が不要なため、人件費も削減できます。
まとめ
レガシーシステムの再構築は今後も検討が進んでいくと思われます。現行のシステムが素直に移行できるのがベストですが、今回紹介したケーススタディのように、条件によってはデータ移行の際に、さまざまな問題が発生します。
「オフコンデータ TO クラウド」ソリューションは、システム再構築で発生するさまざまな課題を解決できます。なにかお困りごとや課題がございましたら、ユニリタまでお気軽にご相談ください。
また、本ソリューションの価格や詳細な内容につきましては、以下の「オフコンデータ TO クラウド」詳細ページをご覧ください。
担当者紹介

エンタープライズビジネス本部
エンタープライズレポーティング部
大島 新治