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ユニリタエンジニアのコロナ奮闘記

Vol. 1 「TOKYO2020とリモートワーク」のはずだった

新型コロナウイルス感染症に関するユニリタの取り組みをご紹介

「起」

もうネタバレだとは思うけど、米国ではこういうクイズがあるらしい。

Who led the Digital Transformation (DX) of your company?
(あなたの会社では誰がデジタルトランスフォーメーションを推進していますか?)

1. Chief Executive Officer (CEO)
2. Chief Technology Officer (CTO)
3. Chief Digital Officer (CDO)

DX: デジタルトランスフォーメーション

DXの一環かどうか、今となってはわからないが、ユニリタの製品開発を行っている部門では、2019年の中頃から東京オリンピック前までには半数以上はリモートワークにして、いろんな意味で生産性を上げよう、といろいろな試みを行っていた。この随分前にも、アジャイル開発をやっている部門では、リモートワークで40%も生産性が上がった、という恐るべき結果も出ていたし、いろいろな事情を抱えるエンジニアもいて(結構そういう人が優秀だったりする)、働き方というか、働くスタイルを変えないと、これ以上ギリギリとエンジニアを追い込んでも変われないな、とも思っていた。あくまでエンジニアが働きやすい環境を作って「生産性」を上げるのが目的。その先には、ソフトウェア開発も、モノからコトへの変換、当時はやっていたデザイン思考なんていうものもぼやっとイメージには入っていた。

ユニリタはメインフレームという良くも悪くも原始的で難解なところから始まった「ミドルウェア」を作っている。いわば、車の燃焼機関(エンジン)を設計・開発・保守するような本当にコアな技術の世界なので、(Uberのような)「サービス」には程遠いところにいる。だから、この働き方を変えるという形から入ることが実はとても重要だと考えていた。数年前に大手都市銀行がFintechに乗り遅れまいと、ベンチャーをつどってアイデアコンテストみたいなものをやった。そのときの記念写真で100名程度の参加者の真ん中で高級そうなスーツを着ていた「浮いた」人たちは、1年後には、スウェットのパーカーを羽織っていた。

 

「承」

さて、そうこうしているうちに、新型コロナウイルス感染症の被害が拡大し、毎年3月に行われていた当社の一大イベント「ユニリタユーザシンポジウム」も史上初めて中止になり、4月には緊急事態宣言が出て、図らずも「完全リモートワーク」になってしまった。
が、私たちは慌てなかった。なぜなら、前述のように既に準備はしていたから。

開発チームだけでなく、顧客サポートを担当するチームを含め、全員が最低1回のリモートワークの試行しており、技術的な課題もほぼ洗い出せていた。

そもそも仕事自体も、ソフトウェア開発はプロジェクト単位のタスク型であり、プロジェクトチームごとに月・週・日単位でタスクの計画・消化をマネジメントするようなやり方がとられていた。

進捗管理

進捗管理も課題管理もソース管理もツールを導入して運用されているし、縦横のコミュニケーションも対面で指示されたり指摘されたりするより、NS・チャット・メールでフィードバックされるほうが彼らには合っている。
Web会議もこの時点で試行を重ねており、ツールよりもオペレーションをどうするかが大事であることも分かり、おおよそのルールも定められていた。
当然だが事前に資料を共有するとか、複数参加者でPCは共有しないとか、カメラはオンにするとか、チャットはどう使うとか、ネットワーク不調の場合はどうするとか・・・。

と、まぁ、こういう技術的な問題よりも、どちらかというと、リモートワークをやっていくんだという方針のもと、実際にいろいろな角度から試行していたことで、「リモートワークでも大丈夫」という意識ができていたことが大きい。
管理者からすると「本当に仕事しているのか」、現場からすれば「まじめにやったほうが損するのでは(ちゃんと評価されるのか)」、などの心配が試行中の小さな課題や疑問に答えていくうちに、今思えば「どうでも良い」話になっていった。

元々タスクベースの仕事をしているし、リモートワークはフリーランスのように誤解している人も多かったが、働く場所がリモートなだけで好きな時間に仕事をするわけではない、ということを皆が理解していった。

「全然問題ない!」

それどころか、通勤時間と余計な雑用が減った人は集中力というかモチベーションが高まり、逆にとめどもなく働き始めるベテランまででてきた(それはそれで問題だが)。

「いやぁ、先を見越して、準備していた成果です!」なんて経営に見栄をきったりしていた。その頃は。

「転」

発端は、ようやくPCR検査の体制が充実し無症状者にも検査ができるようになってきた頃、担当医から「すぐに仕事を休みなさい」と言われた若手社員が出てきたこと。コロナが陽性になったわけではなく、メンタルな部分で異常が出てきた。今までかかったことのない偏頭痛が止まらず、病院に行こうとしたが当時明らかなコロナ感染の疑いがある者以外は自宅で様子見、の時期だったので判明が遅れたのだが、病院自体が少し落ち着いてきて診察ができるようなったところ、前述のような宣告をされた。本人は、偏頭痛以外はいたって元気だったが、大事をとってしばらく休むことにした。

同時期に、もう1名(別部門だが)今度は「夜眠れない」ということから、同じように一般病院での診察開始後、こちらもセカンドオピニオンで「すぐ休みなさい」との指示。こちらも不眠以外はいたって元気。自覚症状がない。

双方とも独身若手の1人暮らし、まじめで優秀な人たちの立て続けの事態に、「これはまずいのでは」とマネジメントは騒然となる。
組織として仕事自体はうまく回っており「何の問題もなし」だったはずが、心配はしていたがパーソナルなところから問題が露呈し始めた。
折しも、4月に入った新入社員が、入社式以来ほぼ研修担当以外の社員との接触もないまま、リモートオンリーでの研修が進み、「このままで大丈夫か」と話題にしていたときだった。(新入社員出社日に、本社のフロアに学生のような雰囲気の「少し浮いた」青年たちがいるな、と思ったら、ウチの社員だった!)

マネジメントだけでなく現場の意見も聞きながら、いろいろ議論をして、やはりコミュニケーションの問題かと。いくらデジタルでのコミュニケーションが浸透してきたとはいえ、なかなか日本の会社社会の中で勝手知ったる人以外にはフランクに相談はできない。
ベテランのようにやるべきことがわかっていて、周りとの関係性もできあがっている分には問題ないが、毎朝夕のWebミーティングで皆が顔を合わせているとはいえ、何を聞いてよいかもわからない人たちはタスクベースで成果が出せないことがプレッシャーになっている。

上司と部下といった仕事上の縦のつながりは、リモートでもコミュニケーションはできるが、同期や直接の仕事以外での(昔でいうタバコ仲間のような)横のつながりが少なくなっている。若手でもSNSなどで発信できる人はまだよいが、そうでない人も多い。


他の会社の方に聞いてみたり、ネットで調べたりしてみても、やはり同じような問題があちこちで出ていた。既にいろんな工夫をしている会社もあり、参考にしてみたりしたが、局所的にはうまく行く部分もあるが、組織全体としての課題はなかなか解決できない。
意外だったのは、ITベンダーの多くは、緊急事態宣言後、リモートワークをかなり縮小しているところが多かったこと。
とはいえ、当社は、前述のようにコロナ前からリモートワークは生産性向上の有効な手段だと考えていたので、これを止めるという選択肢はなかった。

その頃には緊急事態宣言も解除され、街の人出もだいぶ減っていたので、とりあえず感染防止のための強制的なリモートワークは解除し、今一度「生産性を上げるため」のリモートワークを各部署で考え、全社的には3割を目安に、横のコミュニケーションをとる仕掛けと、(当然ながら)感染防止の観点から密にならない仕掛けを施した上で、出社してみることにした。

  1. チーム別に出社日を決めて、出社していてもオンラインで会議する
  2. 出社しなければならない仕事を作って当番制にし、少人数の新しい組み合わせで仕事する
  3. 新入社員にはチームを組んで、先輩にインタビューし、発表、仕事を知るイベントを作る
  4. 組織横断型で本業以外のプロジェクトを作って、若手をリーダーに抜擢しショート・タームで運営、経営報告を行わせる(横串のコミュニケーション)
  5. 思い切って若手チームにベテラン担当の仕事・顧客を渡すことで、コミュニケーションを促す(あちこち相談しないとできないでしょ)
  6. 出社は強制しないが、リモートワークの際は、1日中Webミーティングをつなげっぱなしにする
  7. Web飲みの推奨(会社で補助を出す)
  8. ・・・

 

「結」

いろいろと試行錯誤中ではありますが、まだ結論は出ていない、といった状況。
来年の春頃までにはいろいろなことがわかってくる(数字的にも結果が出てくる)はずなので、その際には皆さんとも情報共有したいと思います。
最後は非常にアナログな世界になっていますが、ここもデジタル技術の活用がキーだと考えています。もうもとには戻れないので。

冒頭のクイズ
Who led the Digital Transformation (DX) of your company?
(あなたの会社では誰がデジタルトランスフォーメーションを推進していますか?)

答えは、言わずもがな、「4.COVID-19」(アメリカンだろ)。 

次回は「エンジニアの NEW NORMAL」についてお話ししたいと思います。

プロフィール

野村剛一

株式会社ユニリタ
執行役員

野村 剛一

ソフトウェア開発はエンジニアリングであり、ビジネスでもある。

品質とアイデア・スピードをどう両立するか、
なんてことを日々考えるようになった55歳です。

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