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【2016年1月号】『フローデータ』の活用で、営業現場にインテリジェンスを届ける

営業担当者は打席に立たなければ勝負できない

営業担当者は打席に立たなければ勝負できない

その昔から多くのB2B企業では、「御用聞き」または「押し売り」営業から「提案型営業」への変革を目指し、マーケティングを行い、営業プロセスを管理して、安定した成果を上げるよう努力しています。しかしながら、最終的に案件を受注するには、商材の競争力、提案内容、顧客とのリレーションシップや現場の熱意など 、行動管理だけでは制御できない要素が多くあり、企業と人間の能力と努力に依るところが大きいのが現状です。野球に例えるなら、個々の打者が如何にして技術を磨き打率を上げるかという部分にあたります。

野球の世界では、どれほど優秀な打者でも、結果として7割近くが失敗をします。多くの安打を打つには、投手が投げたボールをより確実に捉えるよう打撃技術を磨き、良い道具を揃え、コンディションを維持して打率を上げるか、より多くの打席に立つか、のいずれか、または両方が求められます。どんな優秀な打者でも打席に立たなければヒットを打つことはできないのです。話を営業活動に戻せば、各人の営業スキルを上げ、正しいプロセスを踏ませると共に、如何にそのスキルを発揮できる場に導くかが営業を科学する上で重要なポイントになってきます。

成果があがっている営業の行動は何が違う?

成果があがっている営業の行動は何が違う?

消費者の購買行動モデルが※AIDMA から AISAS に変わってきたように、B2B企業においても、やみくもに「足で(のみ)稼ぐ」営業をしているところは今やほとんど見当たらなくなってきました。

現代では、70%の顧客が営業担当者の訪問前に既に購入商品の意思決定をしており、89%のバイヤは、プロモーションのコンテンツではなく、教育コンテンツを優先して購入する商品を決定しているというデータもあります。このために、企業はPR(PublicRelations)を強化し、リードナーチャリングを行い、顧客のインサイトを測って、より効率的なセールスを目指します。

※電通が提唱した消費者購買行動モデル
 関連記事UNIRITA マガジン8-9 月号 
 「ICT による潜在顧客の顕在化でマーケットを拡大」

この方法は新規顧客を獲得する上では非常に有効な手段と言えます。撒き餌をし、獲物として価値のある魚を選別して、その魚に合った道具や餌で吊り上げる。では、どこの会社にも1人は要るであろう、いつも突出した成果を上げる営業担当者は、他の人と何が違うのでしょうか。類まれなる技術と経験と努力はもちろんのこと、彼らは独自の「魚群探知機」を持っているのです。

漁業の進歩

たとえ「足で稼ぐ」営業を行っているとしても、商品を売り込むためには、営業戦略に沿ってターゲティングを行い、優先順位をつけて活動をしているはずです。そのために、対象となる顧客の属性や過去の取引・活動履歴など社内にあるデータや知見を用いてポートフォリオを作り、ターゲットを決定します。

優秀な営業担当者は、これらに市場や現場で得た情報を加え、まず獲物がいる「場所」と「時間」を特定し、収穫のためのシナリオを作成します。これを私達は「魚群探知機」と呼んでいます。これは、最初に撒き餌を行うプロモーションマーケティング的な方法とは別の、営業現場にはてっとり早く分かりやすい世界ですが、実際にはなかなか他者には広めにくいノウハウでもあります。現在、市場に公開されている情報やソーシャル、IoTの発達や社内で構造化されていないデータを活用することによって、優秀な営業担当者が独自に収集していた「以前は社内には存在しなかった」データを用いて皆が使える「魚群探知機」を作ることが現実的なものとなってきました。

これまで営業機会を失っていた、またはタイミングを逸していたオポチュニティを顧客よりも先に拾い上げ、一般の営業担当者、もしくは販売パートナーに対して、チャンスを届けることができるようになったのです。

ストックデータとフローデータ

ストックデータとフローデータ

日本におけるデータ活用は、「〆(締め)」が重要な意味を持つビジネスからきた「バッチ処理」の文化がベースにあります。古くはオンラインシステムやSCM、SFAのようにリアルタイムに動くトランザクションシステムから発生するデータは、集計を基本とするこれまでのデータ分析やデータ活用の場では、直接生データとして活用されることは多くありませんでした。顧客・商品のポートフォリオ・ターゲティングは、属性による分類やトランザクションデータの集計結果から作成されます。「〆(締め)」の定義があいまいな途中経過のデータは比較対象の結果とならないため意味がありません。

これらの ある時点で締められたスポットデータを私達は「ストックデータ」と呼んでいます。例えば、マスタに蓄積される属性データの中で、個人における性別や生年月日等変化しない属性は当然のことながら、住所・職業等変化する属性についても、ある時点の属性値を「ストックデータ」として保存し、私達は利用しています。これに対して、日々刻々と動くデータを「フローデータ」と呼ぶことにします。

「フローデータ」は主にトランザクションデータを指しますが、マスタ属性の中でも、その変化を追ったものも含まれます。各年度末の顧客の住所は「ストックデータ」ですが、今日住所が変更されれば、変更された時点で「フローデータ」となります。住所が変わったことによって「この人は引っ越しをした」ということが分かります。併せて、勤務先企業が変わらなければ、「転勤をした可能性が高い」という文脈が生まれます。変化を捉え、文脈を理解することが「フローデータ」活用の一つのキーになります。

フローデータを活用する

銀行の融資担当者が新しい融資先を探す場合、企業のバランスシート・損益計算書を眺めて融資余地があるかを判断し提案するだけでなく、振込・口座振替等の決済情報を見ることによって取引の変化を捉えることができます。例えば、ある月から決済取引のなかった企業への振込が行われ、それが定期的に続くようであれば、新しい資金需要があるということです。

複数の既存顧客の入出金明細を突合し、共通で取引のある新規顧客を抽出

製造業であれば、近年注目されているIoTは正にフローデータの活用そのものであり、納品された製品にセンサーを組み込み、インターネット回線を通して収集されたデータを分析、故障を予知・予測することによって、顧客は機械故障によるビジネス損失を予防し、メーカーは計画的な保守や買い替え等の提案を適切なタイミングで行うことができます。顧客が使う製品の故障を予測できれば、サプライチェーンを通して交換すべき部品の在庫を調達し、サービス担当者のスケジュールを押さえ、かかる費用を自動計算した後、標準提案・見積書を自動作成し、過去の契約・取引情報を添えて、SFAを通して営業担当者に最適化されたToDo を通知することができるのです。土地取引を行う企業では、公的データを通して取得した地域の公人・名士の情報を利用することもできますし、地域密着型のサービス業では、営業担当者が足を棒にしなくても、SNSや「つぶやき」に相場情報がある場合もあります。一つ数千円の乾電池式ビーコン装置を使えば、スマートフォンを通して、店舗やその周辺における顧客の動きを捕まえることができます。

これらは、実は現場では既に人の手によって実際に行われていることなのです。これを、テクノロジーの進歩によって容易になってきたデータ収集技術やデータ分析やプロセスオートメーションを利用することによって、より適切なタイミングで、すべての営業担当者がその恩恵を受けることができるのです。

営業機会の検知とリコメンド

今まで社内に存在しながらも活用していなかったデータや、ソーシャルやIoTに代表される新しいデータを取り入れ、その変化を捉え、他の要素データと突き合わせることによって文脈が生まれ、新しいオポチュニティが発見できるということ。これがフローデータ活用の起点です。問題は、これらのデータをどう突き合わせ、分析を行うか。重要なポイントとなるデータの分析・故障予測は、近年の機械学習の発達によって、複雑なアルゴリズムやルールを定義することなく、実現できるようになりました。データ分析を行うためにシステム的に重要なのは、分析のためのデータをどう作るかということです。

ユニリタは、IoTを含むあらゆるデータを収集、統合、加工し、それを分析、その結果をビジネスに活用できるようなアクションレイヤ(システムやサービス、人とのインタフェース)までをサポートする基盤を、各業界の現場で蓄積されたノウハウから得られたベストオブブリードの「分析レシピ」と併せて提供しています。

データがビジネスをつなぐ

これまでのスタティックなデータ分析による社内効率化のための活用から、ビジネス拡大のためのフローデータ活用を行おうとすると、自ずと、自社だけでは実現できないケースが出てきます。実際にビジネス現場では、企業間の個別の取り決めによって、異業種でのビジネス提携を行っているところは少なくありません。業界を超えた業際ネットワークは、当然ビジネス目的であり、今後、フローデータの活用が進めば進むほど異業種間での提携は多くなってくるでしょう。これに乗り遅れないためにも、できるだけ早く、フローデータの活用を検討すべきと考えます。IoTやアナリティクスの技術はあくまで材料や道具であり、IoTをどう使うかではなく、営業現場の視点から考えてみてはいかがでしょうか。答えは案外身近なところにあるのかもしれません。

ユニリタでは、システム導入の前に、その成果を測るため、お客様が持つデータのプロファイリング、初期分析モデルを用いた「実証実験」のサービスを行っています。データは複合的な観点から見れば、必ず何かが生まれます。まずはお気軽にご相談ください。

担当者紹介

野村 剛一

執行役員 新ビジネス本部 データアナリティクスグループ長
兼 ESBグループ長

野村 剛一

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