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2020年、ITの潮流はどうなる?

ITは日々進歩して、人々の暮らしをより豊かなものにしています。2020年においては、そのトレンドはオリンピックと大きく関係すると考えられます。

2020年7月24日から開催される2020年東京オリンピック・パラリンピック(以下東京オリンピック)は、夏季オリンピックとしては、同じく東京で開催された1964年東京オリンピック・パラリンピックに続き2回目の日本開催。56年ぶりに東京で開催されるオリンピックをきっかけにしてどのようなITトレンドが生まれるでしょうか。

過去にオリンピックがもたらした技術革新

総務省は、2014年11月14日に開催された「2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第1回) オリンピック・パラリンピックとICTについて」で、東京オリンピックのビジョンを発表。そこには“最先端のテクノロジーを大会に活用し、日本発のイノベーションとすること”が目標として掲げられています。

オリンピック・パラリンピックが技術革新のきっかけとなることは、過去の大会からもわかります。

たとえば、1932年開催のロサンゼルスオリンピック・パラリンピックでは、オリンピックとしては初の国外向けラジオ放送が、日本のみで実施されています。また、前回の東京オリンピック・パラリンピックでは、国内初のオンラインシステムによる競技結果集計ならびにテレタイプでの配信が行われています。

近年では、2012年開催のロンドンオリンピックにて、全94の会場を8万回線のネットワークで接続。毎秒60ギガバイトの通信量を処理するために、500キロメートルにもなる回線を新設するといった、インフラ面の整備も行われています。

2020年のITトレンド

5Gネットワークの普及

オリンピックがその普及を大きく後押しするとされているのが、5Gネットワークです。

総務省発表の「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望」によれば、日本の移動通信システム(携帯電話、WiMAXに代表される広帯域移動無線アクセスシステム)の契約数は、2018年6月末で約1億7,225万件に達しています。これらデバイスの利用拡大により、通信トラフィックが逼迫していく恐れがあります。その対策として期待されているのが、5Gの導入です。

第5世代の通信システムである5Gの最大通信速度は、1980年代に利用されていた第1世代(アナログ方式)の最大通信速度(10K)と比較すると、約10万倍の10Gbpsとされており、2時間の映画を3秒でダウンロードできるほどの高速です。

さらに、遠隔地のロボットや機器を、タイムラグを気にせず動かせる超低遅延や、スマホ、PCはもちろん、身の回りにある多数の機器がネットに接続できる多数同時接続という性能も、社会に革新をもたらすと考えられます。

5Gによって実現する主なこと

たとえば、各社が研究・開発を進めている車の自動運転にも5Gは大いに役立ち ます。次々と変わっていく交通状況を把握する必要がある自動運転では、膨大な情報量が必要とされ、その量は1日4TBともいわれています。そのため、大量の情報を素早くやり取りできる5Gの存在が欠かせません。

これまで、ビッグデータと呼ばれる膨大な蓄積データは、時間をかけて解析していましたが、5Gによってリアルタイムでビッグデータの分析が可能となり、より有効的に活用できると期待されています。

5Gは近年利用者が増加しているクラウドサービスの重要性も高めます。

5Gの高速通信、超低遅延、多数の端末との接続といった特徴により、IoT化は加速。それによって得られたデータはクラウドで集積され、クラウド上でAIによって分析することでデータの新たな価値が生まれます。

このような流れにおいてクラウドは非常に重要な役割をもちます。

5Gはタイムラグの少ない超低遅延によって、より正確な遠隔医療や人が立ち入れない災害現場での復旧作業にも効果を発揮します。

東京オリンピックにおいては、会場の混雑状況をドローンで記録して、5Gで情報収集。AIに分析させることで、移動プランを立案して物流や交通に活かそうという動きがあるほか、観戦にも用いられる予定です。12Kという高精度な映像中継をパノラマスクリーンに映し出すことで、観客の臨場感を高めます。5Gであれば大容量の映像であっても、ほとんど遅延なく送受信が可能です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の本格化

5Gの登場によって本格化するのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。DXとは、最先端のデジタルテクノロジーを活用することによって、新たな価値を生み出し、生活や企業を豊かにしていくことを意味します。

DXによる社会・経済の変化の流れを、総務省は「平成30年版 情報通信白書」で次のように推測しています。

  • インフラ、制度、組織、生産方法などにAI、IoTといったICTが導入される
  • 社会・経済のシステムがICTを活用しはじめる
  • ICTの可能性を最大限に引き出せる社会・経済システムが生まれる

この大きな変革によって、製造業であれば製品からデータを収集したり、自動化技術を用いた異業種と連携したりと、新たな事業につながる可能性が広がります。

DXの本格化によって普及すると考えられるのが、シェアリングエコノミーです。シェアリングエコノミーの台頭により、所有する社会から必要なときに利用する社会へ移行。製造業がサービス業化するといった、産業構造の大きな変化が訪れるでしょう。

普及が予想されるシェアリングエコノミー実現の一要素として挙げられるのが、サブスクリプションモデルです。サブスクリプションモデルは、物やサービスを買い取るのではなく、使用権を一定期間所有するビジネスモデル。たとえば定額で毎月聴き放題の音楽配信サービスがこれにあたります。

このようなサブスクリプションモデルは、これまで製造業であった自動車産業においてもスタートしています。国内外問わず大手自動車メーカーがサブスクリプションモデルを採用しており、頭金なし、保険料・メンテナンス料込みの月額制で新車が乗り放題というサービスもあります。

サブスクリプションモデルに求められるのは、顧客への成功体験提供です。そのため、ユーザの利用状況に応じてサービスをパーソナライズされるような仕組みづくりが必要です。

AI、IoTなどの先端技術によってDXが促進されることで、データが有効活用でき企業と顧客との双方向型のサービスが提供できます。

DXがもたらす可能性

東京オリンピックにおいてもDXは活用される予定です。そのなかのひとつが日本に不慣れ、かつ日本語が理解できない外国人観光客に快適な日本滞在を提供するためのサービスです。

観光庁および日本政府観光局(JNTO)は、オリンピック開催年である2020年の訪日外国人旅行者数4,000万人という目標達成のために、さまざまなキャンペーンを実施しています。

このサービスでは、日本に到着した外国人観光客が、スマートフォンアプリで同サービスに氏名、年齢、国籍、母国語、パスポート情報、食の禁忌を入力。すべての情報が提供されるわけではなく、本人がどの情報を入力し、誰に提供するかを選択できます。

DXに伴うIT人材不足

DXによって非IT企業であっても、大きなビジネスの変革に参入することで、サービスや製品の差別化が図れ、事業拡大のきっかけになります。しかし、非IT企業の場合、DXに必要なスキルをもつIT人材が不足しているという問題があります。

独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター(IPA)が行った「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」では、92社を対象にDX推進を担当する人材の規模について調査。その結果、DX推進担当者が0人という企業が最多45.7%となっています。従業員数別でみると、5,001名以上の企業の場合、DX推進担当者が0人という企業は30.8パーセントなのに対して、1,000名以下の企業では52.2%と半数以上の企業がDXに適したIT人材が不足しているといえます。

DXを推進するには、IoTやAI、さらにはビッグデータの分析などに精通している人材が望ましいといえます。そのため、ひとつの分野に特化したスペシャリストを採用・育成するのではなく、DXに関わる情報を包括的に分析できるジェネラリストを採用・育成することが必要です。

働き方改革と残業管理におけるIT

2018年6月29日に可決・成立、2019年4月に施行された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」、いわゆる働き方改革。この改革のなかで大きな課題として挙げられている、「長時間労働の是正」を果たすために、時間外労働の上限規制が労働基準法で定められました。同規制は、大企業であれば2019年4月から、そして2020年4月から中小企業でも適用になります。

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律

これまで時間外労働は月45時間、年360時間を上限とし、年間6ヶ月までは上限なしで行われていました。また、仮にこの制限を超えたとしても、罰則はなく行政指導が行われるのみでした。

ですが、労働基準法改正により、残業時間は原則月45時間、年360時間とされ、年間6ヶ月までなら条件付きで例外的に月45時間、年360時間以上の労働が認められています。改正前と大きく異なるのは、罰則の有無です。行政指導のみだった改正前に対して、改正後は罰則(6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金)が科せられる可能性があります。

このような働き方改革に対してもITの活用が期待できます。リモートワーク(テレワーク)の導入がその一例です。オフィスから離れた場所で業務を進めるリモートワークは、働き方改革において総務省が推進する働き方でもあります。特に東京オリンピックが開催される2020年は、大会期間中の通勤混雑が予想されるため、リモートワーク採用がより重要になる年ともいえます。

また、働き方改革が実行される一方で、労働に従事できる15〜65歳未満の生産年齢人口は減少傾向にあります。国立社会保障・人口問題研究所が行った「日本の将来推計人口」では、2065年には4,950万人になると予想されています。8,000万人を上回っていた1995年と比べると、大きく減少しています。このような労働力不足のなかにあっても、従業員のワークライフバランスを実現するためには、RPAをはじめとしたツールを導入することで業務効率を向上させ、従業員の負担を減らし、コア業務へ集中できる環境を整えることで働きやすい職場づくりが必要です。

2020年は新しいビジネスを生むチャンス

2020年はオリンピック、5G導入という2つの大きな「キーワード」によってIT環境が大きく変化します。このような年に各企業に求められるのは、IT環境整備だけでなく、ビジネスの変革です。5Gネットワークの普及が加速するDX時代は、旧来型のビジネスでは、企業としての競争力が維持できなくなってしまうでしょう。しかし新しいビジネスを生み出し、企業の競争力を高めるチャンスでもあります。

ユニリタグループでは、IT環境が大きく変化する2020年もお客様のIT戦略をサポートし、新たなビジネスの創出をお手伝いいたします。次頁より、2020年のトレンドに対するユニリタグループの取り組みをご紹介します。

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