RPAとETLツールによって管理帳票の自動作成を実現 現場に蔓延するExcel編集業務を改善|CTCシステムマネジメント株式会社様
~非製造部門における業務改善の切り札として普及を目指す~
ITシステム運用専門の会社として多くの顧客を持つCTCシステムマネジメント株式会社では、基幹システムの刷新にあわせて社内業務の効率化を図るため、会議で必要な管理帳票の作成業務をRPAとETLツールを組み合わせることで自動化することに成功しました。この業務効率化においてデータの変換や加工を行うETLツールとして採用されているのが、ユニリタが提供する「Waha! Transformer」です。
目次
基幹システムの刷新で管理帳票の改修が必要に
2014 年に、客先常駐オペレーション事業が中核のシーティーシー・システムオペレーションズ株式会社とIT 運用管理を中心に事業を展開してきたCTC システムサービス株式会社が合併し、新たに誕生したCTC システムマネジメント株式会社。CTC グループとしての総合力を発揮しながら、デジタルトランスフォーメーション(DX)へのシフトを加速することで顧客価値の最大化に取り組んでいます。現在は、以前から得意としているIT システム運用やシステム実装を土台に、「開発領域」「クラウド」「自動化」への取り組みに注力しながら、「BPO」や「グローバル」など新たな領域にビジネスを拡大させています。
そんな同社では、2018 年にグループ全体で基幹システムの刷新が実施されましたが、その影響で損益計算書(PL)をはじめとした各種管理帳票の改修が必要になったと語るのは、経営企画室 新規ビジネス・業務標準化推進部 部長 松本 孝二氏です。「月次報告のために必要な管理帳票は、Excel ベースで120 ファイル、トータルで650 シートにもおよぶ膨大なもの。この資料をマクロやVBA を駆使して手作業で作成しており、作業時間だけでも7 時間ほどを要するなど、非常に負荷のかかる業務となっていたのです」と松本氏は語ります。そこで今回、新たに基幹システムの刷新に合わせ、別の手法に置き換えられないか検討を始めることになったのです。
RPAとETL ツールが帳票作成の効率化に効く
処方箋に
サービス開発本部
本部長代行
兼 運用サービス部 部長
楠川 宣玄氏
そこで検討したのが、RPA とETL ツールを組み合わせることで帳票の自動化を実現する手法でした。そのきっかけは、RPA を中核に、さまざまなソフトウェアを組み合わせることで効率化を実現する「Robochestration(ロボケストレーション)」というコンセプトを持つ、新たなソフトウェアロボットソリューションを外販向けに企画したことでした。「RPA を中心とした業務改善のソリューションとして企画しましたが、システム運用業務やデータ処理業務を支援する機能の一部として、データの変換や加工処理に優れたETL ツールが役立つと考えたのです」とサービス開発本部 本部長代行 兼 運用サービス部 部長楠川 宜玄氏はその背景について語ります。
このソリューションづくりの過程で注目したのが、ユニリタが提供する「Waha! Transformer」でした。「ハンズオンにも参加させていただき、複数のETL ツールを評価したうえで、ソリューションとして提供することに適していると判断したのです」と楠川氏は語ります。特に直感的な操作で、容易に処理を作成できる優れたインターフェースと、ファイル監視をトリガーに処理が実行な点を評価しました。また、SAP との連携実績も豊富にあることから、将来的に活用できる幅が広がると考えたと説明します。
一方、基幹システムの刷新に向けた管理帳票作成の効率化の仕組みを検討しているなかで、楠川氏から「Waha! Transformer」を紹介された松本氏。「いくつか製品そのものも見比べましたが、ユニリタが販売している『A-AUTO』というジョブ管理のツールに作り方が似ており、考え方も含めて理解しやすい点は大きかった」。実は以前「A-AUTO」の導入経験のあった松本氏だけに、動きがイメージしやすく、現場にも指示しやすかった点は大きなポイントでした。「マニュアルを最初から見なくてもこう動くだろうと容易に予想することができました。欲しい機能を持ったソリューションが欲しいタイミングで紹介されたことで、一気に導入の流れになっていったのです」と松本氏は説明します。
結果として、同社がグループ会社および外販に向けたソフトウェアロボットソリューションの一部として、そして管理帳票作成の効率化のための仕組みとして、「Waha! Transformer」が採用されることになりました。
帳票作成の自動化で工数を劇的に改善、
業務適用範囲も広がる
経営企画室 新規ビジネス・
業務標準化推進部 部長
松本 孝二氏
現在は、当初の目的だった基幹システム刷新に伴う管理帳票の改修に「Waha! Transformer」が利用されており、RPA と連携することで帳票作成の自動化を実現しています。具体的には、基幹システム内の情報が取得できるWeb サイトからRPA がデータをダウンロードし、その情報をもとに「Waha! Transformer」がデータ加工することで、帳票作成までの自動化を実現しています。「以前は複数の人間が帳票作成に関わりつつ、トータルで7 時間ほどの工数が必要でした。今は私が出社して実行ボタンをクリックするだけで、40 分ほどで帳票を作成できています」と松本氏はその効果について力説します。
また、素早く帳票作成できるようになったことで、情報把握が迅速になった点も見逃せません。「社内からの帳票出力依頼に対し、以前は1 日かかっていましたが、今は半日ほどで帳票を提供できています。素早く判断材料が渡せるようになった効果は大きい」と松本氏。同様の手法で、経営会議の資料や役員クラスが見る資料など、さまざまな帳票作成の工数を大きく削減することに成功していると説明します。
今では、非製造部門における業務の洗い出しを行い、効率化につながるものがあれば実装していく流れができています。一例を挙げると、技術者を顧客に派遣する事業部では、毎月顧客が運用している勤怠管理システムから承認された段階を見計らってRPA がデータを自動抽出、請求書を提出する際のエビデンスとなる書類作成を「Waha!Transformer」によって自動化することに成功しています。実は請求書を作成する事務員を増員させる計画がありましたが、「Waha!Transformer」での仕組みを実現したことで、従来の人員のままでも業務拡大に対応できていると松本氏は評価します。
また、グループ全体の経費データをRPA で集約して「Waha!Transformer」がエビデンスを作成、上長への確認メールも「Waha!Transformer」が自動送信。作成された資料は監査の際にも活用するなど、コンプライアンスの目的でも「Waha! Transformer」が活躍していると説明します。「非製造部門で一番大変なのは、結局のところExcel の編集作業。それをいかに効率化できるのかが重要になります。もちろん、全て自動化してしまうと業務が分からなくなることにもなりかねませんので、バランスを取りながら「Waha! Transformer」によって効率化を進めています」と松本氏。
さまざまな業務の効率化を「Waha! Transformer」が実現していくことで社内にツールの有効性が浸透し、これまで効率化をあきらめていた業務に対して改善に向けた道筋が提示できるようになった点も高く評価されています。「社内で実績を上げていることで、意識改革にもつながっています。働き方改革含めた業務の生産性向上に会社全体で取り組む環境づくりに役立っています」と評価しています。
ユニリタに対しては、特にサポート部分を高く評価する松本氏。「相当ツールに熟知された方がサポートをされているのか、非常に分かりやすくレスポンスも早い。どうすれば望んだことができるのかについて質問すると、複数のパターンを必ず提示いただくことができ、自分たちの環境に適した方法が選択できます。マニュアルの参照ページを指定するだけのサポートも世の中にはありますが、サポートのレベルが高くとても助かっています」。
市場を一緒に盛り上げていくためのパートナーとしても期待
今後については、社内における業務の効率化を加速させていきながら、「Waha! Transformer」を使ってビジネスにつなげていくことでの利益追求も同時に行っていきたいと語ります。「社内については、ある程度業務の洗い出しが済んでおり、効果の高いものから順次対応していく予定です。Excel の加工や編集といった業務については、社内で統一して「Waha! Transformer」を使っていくことを、非製造部門に広く浸透させていきたい」と松本氏。そのためには、気づきを与える意味でもセミナー開催などを通じて触れる機会を増やしていきたいと語ります。
またビジネス的な 展開については、Robochestration をコンセプトにしたソフトウェアロボットソリューションを積極的に展開していく計画で、その一部として「Waha! Transformer」に期待を寄せています。特にRobochestration はRPA が中心ではあるものの、業務効率化の入り口をRPA が担い、効率化の着地点としてのアウトプットを「Waha!Transformer」に任せていくイメージだと説明します。「今後もお客様の課題に応じて、RPA とさまざまな仕組みを組み合わせながら提供し、そして結果を出していくことをしっかりと行っていきたい。RPA の市場自体をさらに活性化させていくためにも、ユニリタと一緒に市場を盛り上げていきたい。そのための知恵を絞っていきたいと考えています」と楠川氏に語っていただきました。
CTC システムマネジメント株式会社
- 事業内容:IT システムの運用管理サービス、インフラ運用管理
サービス、業務・アプリケーション運用管理サービス、
ソフトウェア開発サービス、衛星通信・放送運用サービスの提供 - 設立:2008年7月1日(創立1984年10月)
- 従業員数:1,751人(2019年4月1日)
- ホームページ : http://www.ctcs.co.jp/
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