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Case

導入事例

ジョブ管理の中核を担う「A-AUTO」の 可用性を高める環境づくりを実現|日販テクシード株式会社 様

ジョブ管理の中核を担う「A-AUTO」の 可用性を高める環境づくりを実現|日販テクシード株式会社 様

ジョブ管理の中核を担う「A-AUTO」が稼働するオンプレミスサーバーの老朽化に伴い、数年ごとの定期的なリプレースから脱却するべくAWSへの移行を目指しました。しかし「A-AUTO」は業務の根幹を担うクリティカルなシステムで、障害がビジネス影響に直結しているため、AWSへの移行は可用性の点で課題がありました。

利用製品・サービス

A-AUTO リプレース・クラウドリフト支援

取り組み

長年利用してきた中核的なジョブ管理ツール「A-AUTO」を引き続き活用し、AWS上で「A-AUTO」の稼働実績がある「LifeKeeper」および「DataKeeper」を導入し可用性の高い環境を構築しました。AWSへのクラウドリフトを実現したことで、品質を維持したままコスト削減を実現。さらに、クラウドリフトによる定期的なリプレースからの脱却により、新たな事業に費やすリソースを増やすことが出来ました。

課題

クラウド障害によるビジネス影響

日本出版販売株式会社(以下、日販)を中心とした日販グループホールディングス株式会社において、グループ全体のIT環境の運用保守を手掛けている日販テクシード株式会社。同社はグループにおけるITの運用保守以外にも、機械学習などの先進技術を活かしたロボティクスソリューションやクラウドソリューション、RPA(Robotic Process Automation)をはじめとしたオートメーションソリューションなどグループ外の顧客に向けた各種ソリューションを提供しています。

もともと日販の情報システム部門が合流している同社では、日販社内で管理している商品データベースをはじめ、日販が書店向けに提供する店頭管理システムや出版社向けに提供しているデータ開示システムなど、事業に欠かせない業務システムの運用管理を行ってきました。「日販向けの業務システムは、複数のメインフレームおよびオープン系サーバーで稼働しています。オープン系の各システムはオンプレミス環境に構築されていましたが、順次クラウド環境へとリプレースを進めております。黎明期からクラウドの活用に取り組んでいたため、既に多くの基幹システムがクラウド環境で稼働しています。」と「A-AUTO」移行プロジェクトのリーダーを担当したITサービスマネジメント本部 アドバイザリーマネージャー 神原 令氏は説明します。

ITサービスマネジメント本部
アドバイザリーマネージャー
神原 令氏

「クラウドリフトにより数年ごとに発生していたリプレースがこの先不要になるため、手間とコストの面で大きなメリットがあります。一方でクラウド環境のデメリットもあり、特に可用性には不安があります。したがって”老朽化したオンプレミスサーバーは順次AWSに移行”を基本方針としつつ、稼働するシステムやユーザーの業務特性に合わせて移行先を都度検討しています。他社のクラウドサービス(azure 等)や新オンプレミスへの再移行、既存サーバーへの統合など、しがらみなくベストな移行先をフラットに選択ができるのが、ユーザー系IT企業である弊社の強みです。」と、神原氏は続けました。

解決策

冗長化により可用性を維持してクラウドリフト

「弊社が運用するシステムの中でも、とりわけ事業へのインパクトが大きいシステムがジョブ管理ツール『A-AUTO』です。『A-AUTO』は日販の事業の根幹を支える複数の業務システムの中枢となり、一万を超えるジョブを制御しています。身近な例を挙げると、『A-AUTO』が停止して各システムへの制御が滞ると、全国の書店やコンビニに新刊書籍や注文品が納期通りに届かなくなる、ということもあり得ます。もちろん、そうならないよう何重もの策を講じておりますが、『A-AUTO』はそれくらい重要なシステムなのです。」と神原氏。

ITサービスマネジメント本部
アドバイザリーマネージャー
石井 稜氏

「AWSに関しては緊急メンテナンスや実際の障害などでサービス停止の可能性も十分考えられます。インスタンスが止まってしまうことも考慮した移行先の検討が必要でした。」とインフラの運用を担当し、AWSに造詣が深いITサービスマネジメント本部 アドバイザリーマネージャー 石井 稜氏は当時を振り返ります。

障害が発生するとクリティカルな問題に発展しかねない、止められない業務に深くひもづいている「A-AUTO」だけに、可用性低下のリスクは許容し難くAWSへの移行は慎重に検討していました。

 

ソリューションC&I本部
アドバイザリーマネージャー
杉本 健一氏

「インスタンスが止まるなどイレギュラーケースを考えるとAWS上でのシングル構成のシステムには不安があり、ユニリタに相談しました。そこで提案されたのが、サイオステクノロジーが提供するHAクラスターソフトウェア『LifeKeeper』および共有ストレージ機能を提供する『DataKeeper』による冗長化(※)です。従来通りオンプレミスで構築する案や、クラウド移行&冗長機能を内製化する案も検討しました。しかし冗長構成を内製化する場合、AWSのメンテナンスやOSのアップデートなどの際の運用負荷が高いため、最終的にはユニリタからご提案いただいた『AWS + LifeKeeper/DataKeeper』のプランを採択しました。他社で類似環境が稼働している実績にも、決断を後押しされました。」とプロジェクトでインフラの構築を担当したソリューションC&I本部 アドバイザリーマネージャー 杉本 健一氏は語ります。

(※)「DataKeeper」で稼働系と待機系の日常的なデータ同期を行った上で、「A-AUTO」関連のサービスを「LifeKeeper」によって監視し、障害が起これば稼働系から待機系に切り替えることで業務継続を可能にする。

導入効果

品質を維持したままコスト削減、 新たな領域へのリソース確保に貢献

度重なる検討の結果、オンプレミスから「AWS + LifeKeeper/DataKeeper」にリプレースされることが決まった「A-AUTO」でしたが、構築からテスト・移行リハーサル・本番化のフェーズは極めてスムーズに進行しました。長年のAWS環境構築実績および「A-AUTO」利用実績を活かし、構築は極めてスムーズに進行しました。

新しい取り組みとしては、「LifeKeeper」および「DataKeeper」の導入が挙げられます。単に「A-AUTO」を冗長化するだけではなく、この機会に製品ノウハウを習得する狙いもありました。サイオステクノロジーの支援もあり、スケジュール通りに環境整備できたのはもちろんのこと、プロダクト導入から運用のノウハウも手に入れられました。

ソリューションC&I本部
新井 聡史氏

「今回のプロジェクトを通して、お客様への提案の選択肢が増えたことが収穫です。既存のシステムや・今後構築する新環境などに積極的に応用していきたいです。」とインフラ構築の実務作業を担当したソリューションC&I本部 新井 聡史氏は語ります。
移行に関しては、計画策定のアドバイスからリハーサルの立ち合いまで要所要所でユニリタにご支援いただきました。


ITサービスマネジメント本部
西 洋平氏


「製品特有のノウハウや他社事例などを踏まえ、製品ベンダーならでは目線でお力添えいただきました。弊社のシステムの事情を把握した上で適切なご助言を頂けたので、より安全で確実な移行ができました。」と移行計画を担当したITサービスマネジメント本部 西 洋平氏は説明します。
「A-AUTO」のサーバーは7台が稼働していたため、複数回に分けて段階的に移行しました。「日常的に多くのジョブを運行しており、制御下のサーバーが止められるタイミングに合わせ、移行リハーサルも含めて3カ月ほどの期間のなかで段階的に移行を進めていきました。」と西氏。


ソリューションの性質上、さまざまなサーバーと通信する「A-AUTO」だけに、構築時は通信が確立できないケースもありました。「『A-AUTO』そのものが直接原因ではない通信トラブルでも、他社のケースを踏まえ的確に助言を頂けました。われわれが実現したいことに一緒に取り組み、手厚くサポートいただいています。」と新井氏は高く評価します。

今回新たにクラウドリフトを実現したことで、ITコストの削減に貢献していると神原氏は評価します。「クラウドヘの移行によって、今後の定期的なリプレースから脱却することが出来ました。それにより、リプレースにかかっていたリソースを新たな事業へ展開することが出来るようになりました。」と神原氏は語ります。

今後の展開

「A-AUTO」 のさらなる活用で運用業務の効率化を推進、グループ会社の管理するジョブの集約も検討

「『A-AUTO』は、非常に高機能でカスタマイズ性が高く、細かな開発要件に対応できます。加えて、ユーザビリティの面でも優秀です。カレンダー形式でジョブスケジュールを設定するスケジュールマスタがあり、体系的でわかりやすいとジョブオペレーションの現場からも好評です。」と西氏。

今後については、メインフレームも含めてオンプレミス環境として残る基盤が老朽化した際には、新たな環境への移行が必要です。引き続きジョブ管理の基盤として「A-AUTO」との連携を踏まえながら検討を進めていきます。また、現状では使用していない「A-AUTO」のジョブ自動復旧機能なども活用し、さらなるシステム運用の効率化を目指します。「今は私や石井のチームで運用していますが、開発部隊にも『A-AUTO』の機能を理解してもらい、効率的なシステム運用につなげられるような展開も検討したい。」と神原氏は語ります。

「LifeKeeper」および「DataKeeper」については、既存環境にも導入する検討を進めています。「今回得たプロダクトのナレッジを有効活用し、今まで難易度が高いと考えられていた冗長化の環境づくりに向けて、幅広く展開していきたい。」と新井氏。

現状は日販の業務システムのジョブ運行に「A-AUTO」を利用していますが、グループ全体を見ると独自のジョブ運行を行っているところもあるとのこと。「グループ全体としてコスト削減につながるよう、各社のジョブ運行を『A-AUTO』へ集約するといったことも考えていく必要があります。」と、グループ全体最適化の観点から、今後より広い範囲での「A-AUTO」の活用についても期待を寄せていると共に、グループ内で培ったミッションクリティカルなジョブ運行のノウハウをグループ外のお客様にも提供することに挑戦していきたいと、神原氏に語っていただきました。


日販テクシード株式会社


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ジョブ管理ツール | A-AUTO

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