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導入事例

SAP S/4HANA移行に必要なジョブ管理の中核に「ジョブの可視化」によって業務効率化に貢献する「A-AUTO」|THK株式会社 様

SAP S/4HANA移行に必要なジョブ管理の中核に「ジョブの可視化」によって業務効率化に貢献する「A-AUTO」|THK株式会社 様

1971年の創業以来、「世にない新しいものを提案し、世に新しい風を吹き込み、豊かな社会作りに貢献する」を経営理念に掲げ、創造開発型企業として独創的な製品開発を行っているTHK株式会社。世界で初めて機械の直線運動部を“ころがり”化したLMガイドを生み出し、メカトロニクス産業に不可欠な機械要素部品となる直動システムのパイオニアとしてグローバルにビジネスを展開。日本、米州、欧州、アジアの4極において、現地で生産して販売するという需要地における製販一体体制を構築しています。現在は、製造業の枠にとらわれることなく、ビフォーサービスからアフターサービスまでの一連の工程をビジネスとする、ものづくりサービス業への転換を進めています。

導入製品・サービス

A-AUTO

課題

  • ハードウェアの保守切れを機にSAP S/4HANAへの移行が必要
  • 従来のジョブ管理ツールがSAP S/4HANAに対応していない
  • メンテナンス時に必要なジョブの停止と再実行の時のリスクを低減したい

解決策

  • SAP S/4HANAへの円滑なジョブ運用移行を実現
  • 海外含む34拠点でグローバルなジョブ運用基盤を整備
  • GUIからジョブの可視化が可能、障害時の把握が迅速に

導入効果の概要

  • 直線案内機構(直動システム)のパイオニアとしてグローバルにビジネスを展開しているTHK株式会社では、会計システムとして利用するSAP S/4HANAへの移行プロジェクトにおいて、ジョブ管理基盤の刷新を計画。SAP S/4HANAへの対応力と直感的な使い勝手、そして柔軟なインターフェースによる将来性を高く評価し、ユニリタが提供するバッチ・ジョブ管理ツール「A-AUTO」を採用。SAP S/4HANAが持つ会計システムにおけるジョブの可視化および運用の効率化に大きく貢献している。

SAP S/4HANAへの移行でジョブ管理の新たな基盤が必要に

経営戦略統括本部
情報システム統括部 
IT戦略推進部
IT戦略推進課
課長
鈴木 直純氏

グローバルにビジネス展開する同社では、長年会計システムにSAP ERP 6.0(ECC6.0)を利用してきましたが、ハードウェアの保守切れを迎えるにあたり、新たな環境整備が求められました。「2030年までは保守延長が可能でしたが、数年後にはサポートが終了することが見えていました。今回はシステム側の都合での移行となるため、できる限り既存の運用が維持できるよう、その後継となるSAP S/4HANA含めたRISE with SAPへの移行を検討したのです」と経営戦略統括本部 情報システム統括部 IT戦略推進部 IT戦略推進課 課長 鈴木 直純氏は当時を振り返ります。

このSAP S/4HANAへの移行に際して課題となったのが、これまでSAPから推奨されていたジョブ管理ツールの切り替えでした。「従来使っていたツールがSAP S/4HANAではサポートされないことが分かり、会計システムの刷新に合わせて新たなジョブ管理ツールを検討する必要に迫られたのです」と鈴木氏は語ります。

検証環境の迅速な手配とメンテナンス時の利便性を高く評価

経営戦略統括本部
情報システム統括部
アプリケーションソリューション部
アプリケーションサービス課
チームリーダー
髙田 健一氏

ジョブ管理ツールの選定にあたっては、既存機能が踏襲できることを前提に、複数のソリューションを検討。「グローバルに事業を展開しており、会計システムは複数のシステムとインターフェースしています。これまで通り、異なるプラットフォームにも柔軟に対応できる環境が必要でした」と同統括部 アプリケーションソリューション部 アプリケーションサービス課 チームリーダー 髙田 健一氏は語ります。また、基幹システムやサーバー内のジョブなど会計システム以外のバッチやジョブも数多くあるため、いずれは統合管理できるような汎用性の高いジョブ管理基盤を希望したのです。

そこで第三者機関の調査をもとに複数のソリューションを候補に挙げるなかで注目したのが、ユニリタが提供するバッチ・ジョブ管理ツールの「A-AUTO」でした。「SAP S/4HANAとの連携実績が少ないジョブ管理ツールが多いなか、いち早く検証環境を用意いただき、実際に検証を進めていけたのが『A-AUTO』でした。われわれが必要とする機能が十分満たされているだけでなく、他社と比べてコストパフォーマンス面でも優れていたのです」と鈴木氏。当社の基幹システムのジョブについても『A-AUTO』であればオプションで対応できるため、拡張性の面で期待できました」と髙田氏。

使い勝手の面でも、ジョブ作成の手順も含めて簡便な点を評価しました。「使いこなすまで慣れが必要な他ソリューションに比べて、『A-AUTO』は最初にジョブネットワークとそのジョブを定義し、その処理の動きを設定する手順で、とても実装しやすい。人的リソースが限られているなか、われわれでも十分運用できると考えたのです」と髙田氏は説明します。

機能面で注目したのが、定期メンテナンス時の利便性でした。メンテナンスの際には定期的に実行するジョブを停止させることになりますが、これまでは停止期間のジョブが再実行されてしまい、ファイルが重複して作成されないよう運用でケアする必要がありました。「『A-AUTO』であれば、メンテナンス終了後にジョブをリリースするだけで、直近のジョブだけを実行することで安全に処理できます」と機能面での魅力を髙田氏は語ります。

また、企業として「A-AUTO」に対してしっかり投資している点も評価の1つに挙げています。「検証作業など手厚く支援いただけるだけでなく、セミナーなども積極的に開催するなど、企業として『A-AUTO』に力を入れていることが実感できました。将来的にもしっかり活用していけると判断したのです」と鈴木氏。

結果として、SAP S/4HANAへの移行に向けたジョブ管理ツールに「A-AUTO」が採用されることになったのです。

スムーズな移行と100を超えるジョブの安定運用を実現

現在は、SAP S/4HANA Cloud private editionを中心としたRISE with SAPへ会計システムを移行しており、生産管理や販売物流といった基幹システムや情報参照のためのBIツールとの連携とともに、SAP内での日次処理など100を超えるさまざまなジョブを「A-AUTO」にて運用しています。

THKの世界21カ国33拠点 と連携しており、グローバルで24名ほどが「A-AUTO」を使い、SAP S/4HANAとの柔軟なジョブ連携を実現しています。

会計処理のジョブだけに毎日何らかのジョブが動いていますが、SAP内の日次処理などシンプルなジョブだけでなく、長いものだとSAP S/4HANA内の日付を変更して債権債務の消し込み処理を実施し、基幹システムからの新たなデータとSAP S/4HANA内のデータをプラスしてBIツールに格納するような複雑なジョブも運用しています。「GUIでジョブの実行状況などが可視化しやすく、エラーの影響範囲もすぐに把握できます。管理者目線でもありがたい機能が多い」と髙田氏。




実際の運用では、ジョブでエラーが発生した際には「A-AUTO」からメール通知する運用としており、システム領域のエラーについては情報システム統括部が受け取り、SAP S/4HANAへの転記処理がうまくいかないといった業務的なエラーは各国にいる経理担当に直接メール通知して、現場での修正を促すような運用となっています。「『A-AUTO』にはエラーを検知した場合に後続処理を動かす機能が備わっており、エラー部分だけをリカバリーするだけで済むようにしています。特定の処理で全体に影響を与えないような環境が整備できています」と髙田氏は運用面で工夫したポイントを披露します。

「A-AUTO」を採用したことで、既存のジョブ運用を踏襲した形でSAP S/4HANAへの円滑な移行が可能になったことはもちろん、定期メンテナンス時に必要だった重複ジョブによる不整合を未然に防ぐための手間が削減でき、エラー時にも後続ジョブを動かせることでリカバリー時間の短縮にも貢献しています。「CSVで定義ファイルをエクスポート/インポートする機能を使って、テスト環境での設定を本番環境にそのまま適用できるなど、環境づくりにも『A-AUTO』が役立っています。安全な移行作業にも役立ちました」と髙田氏は評価します。

特に移行時には、1週間ほど連携のためのインターフェースを停止せざるを得ませんでしたが、上流側が持つインターフェースを止めずに「A-AUTO」からTSVファイルで出力されたデータを吸収し、移行時にはキューイングされていたデータをバッチで一気に取り込むコマンドを「A-AUTO」側で実装することに成功。髙田氏「おそらく他のツールを採用していれば、人手で移行作業を行う必要があったはず。『A-AUTO』サーバー側でコマンド実行できる機能があってとても助かりました」と振り返ります。

また、SAP S/4HANAのメニューからWindowsのバッチ処理が実行できないなど、構築時に顕在化した課題についても、「A-AUTO」の機能で柔軟に対処しています。「SAP S/4HANAのメニューからファイルを書き出してあげれば、『A-AUTO』のファイル検知機能でジョブ実行できることが、YouTubeなどで公開されている情報をもとに知ることができました」と髙田氏。適切な情報発信という面でも、ユニリタの対応を高く評価しています。

ユニリタに対しては、SAP S/4HANAでのトライアル環境の整備を迅速に行うだけでなく、トレーニング講座の開催も含めて、不安解消につながる手厚い支援を高く評価します。「日々のサポートもレスポンスよく対応いただけています。単に質問に対する回答だけでなく、適切な手段も含めて新たに提案いただくなど、充実のサポートに満足しています」と髙田氏は語ります。

会計システム以外のジョブも含めた統合的なジョブ管理としても期待

現在は、SAP S/4HANAの会計システム周りのジョブを中心に「A-AUTO」で管理していますが、他にも基幹システムや業務システムなど多くのジョブが稼働しています。それらを統合的に管理できる環境整備について「A-AUTO」への期待が高まっています。「ジョブをバラバラに運用するよりは、一カ所に集めて複数人で可視化できるような環境が運用面ではメリットが大きい。基幹システムでは夜間処理を行うバッチも多く、こちらから確認しにいかないとジョブがきちんと実行されたか把握できません。『A-AUTO』のエラー通知によって、トラブルを早期に発見できる環境が整備できる」と髙田氏は期待を寄せています。海外では特殊なインターフェースで連携している仕組みもあるため、「A-AUTO」のファイル検知機能を使うなど、シンプルな管理に移行していきたいと語ります。

また、情報システム統括部ではシステム関連の問い合わせ窓口としても機能していますが、問い合わせ管理や対応状況が個別のシステムに分散していることもあり、担当者の負荷が見えづらい状況にあります。問い合わせ管理が統合できるITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォームの「LMIS」など、ユニリタが展開する他のソリューションについても期待していると今後について鈴木氏に語っていただきました。


THK株式会社

  • 設立 :昭和46年(1971年)4月10日
  • 事業内容 :LMガイド、ボールスプライン、ボールねじ、LMガイドアクチュエータ等の機械要素部品の開発・製造・販売。その他、精密XYステージやリニアモータアクチュエータをはじめとするメカトロ関連製品各種、リンクボール・ロッドエンドなどの自動車部品、戸建住宅から高層ビルまで対応可能なTHK免震システムの開発・製造・販売。
  • 資本金 :34,606百万円(2023年12月31日現在)
  • 従業員数 :4,068名 / 連結会社合計 13,360名(2023年12月31日現在)
  • ホームページ : https://www.thk.com/

関連製品・サービス

ジョブ管理ツール | A-AUTO

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A-AUTOのジョブ管理機能は、異なるプラットフォームで稼働するシステムのバッチジョブを統合的に管理し、自動実行制御を実現します。

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