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導入事例

ダウンサイジングにおけるジョブ管理の中核となる「A-AUTO」 数千億円規模の事業を支えるジョブの安定稼働に貢献 |YKK AP株式会社 様

ダウンサイジングにおけるジョブ管理の中核となる「A-AUTO」 数千億円規模の事業を支えるジョブの安定稼働に貢献 |YKK AP株式会社 様

「窓」をはじめとする建築用工業製品メーカーとして市場をリードするYKK AP株式会社では、長年利用してきたメインフレームのダウンサイジングを図るべく、リホストによるオープン系システムへの移行を実現。販売管理や工事台帳管理などの運用に必要な膨大なジョブを安定稼働させるための仕組みとして、ユニリタのジョブ管理ツール「A-AUTO」が活躍しています。

導入製品・サービス

A-AUTO

課題

  • メインフレームの老朽化などの課題が顕在化
  • 次期システムに向けたステップとしてオープン系への移行を検討
  • 1日3万弱も動くジョブの安全移行が必要

解決策

  • 長年安定的に稼働し続けてきた「A-AUTO」のオープン版を活用
  • JOBNETの分割を行ったうえで従来環境と同等のジョブを再現
  • 「A-AUTO」に起因する不具合はなく、安定稼働を継続

導入効果の概要

  • 長年メインフレームで運用してきた販売管理や工事台帳管理の仕組みをオープン系システムへダウンサイジングするプロジェクトにおいて、1日で3万弱動くジョブを「A-AUTO」にて移行。移行品質の高さによって円滑なジョブ移行を実現、ユニリタの手厚い支援のもと、教育コストを抑えながら安定稼働するジョブ管理基盤の整備に成功。数千億円規模の事業を支える基盤づくりに貢献。

メインフレームからのダウンサイジング、膨大なジョブ移行を検討

窓やドアをはじめ、エクステリア商品やビルのファサードなど、さまざまな建築用プロダクツ(Architectural Products)を中心に事業を展開しているYKK AP株式会社。「Architectural Productsで社会を幸せにする会社。」というパーパスのもと、社会課題解決に貢献する多くの商品・サービスの開発に取り組んでおり、パーパス実現のための方針として第6次中期事業方針「商品による社会価値の提供とモノづくり改革の実現」を掲げ、イノベーション人材の創出や施工現場におけるDX推進、外皮事業や木製窓事業など新規強化分野への挑戦、カーボンニュートラル実現に向けた施策などに取り組んでいます。

そんな同社では、20年以上前にメインフレームによる基幹システムを構築し、長年にわたって運用してきました。

IT統括部 シニアマネージャ
脇山 芳久氏

しかし近年になってシステム環境の老朽化や、経験豊富な技術者人材の不足、システムのブラックボックス化によって改修が困難となり業務が固定化されてしまうなど、さまざまな課題に直面していました。「最終的には次期システム基盤としての構想はあるものの、まずはレガシーシステムによる課題を解消するべく、メインフレームの見える化を進め、必要な部分のダウンサイジングを行うことでモダナイゼーションの早期実現を目指したのです」と語るのはIT統括部 ジャパンIT アプリケーションアーキテクト 室長 シニアマネージャ 脇山 芳久氏です。

 

メインフレームで稼働していた住宅系の販売管理とビル管理における工事台帳管理の仕組みをモダナイゼーションするにあたり、いくつかのマイグレーション方法を検討しました。最終的には業務フローなどの大規模な変更を行わず、迅速かつ安全にオープン環境への移行が可能なリホストを選択しました。「メインフレーム上で動いている販売管理システムを使い、数千億円規模のビジネスを回しています。

IT統括部 マネージャ
金子 一幸氏

止められない重要なシステムだけに、なかなか手が付けられなかったのですが、社内でIT改革プロジェクトが動き出し、かつメインフレームのOSを新たにバージョンアップする必要に迫られていたことで、ようやくオープン環境への移行に向けたダウンサイジングプロジェクトを大きく動かすことになったのです」と同部 マネージャ 金子 一幸氏は説明します。

容易な移行と教育面を考慮し、安定稼働で実績もある「A-AUTO」が最良の選択肢に

メインフレームについては、業務を変更することなく安全に移行するリホストを選択したものの、各種業務の自動化に貢献する膨大なジョブが動作していており、稼働本数2万6000本にまで肥大化していたのです。「受注や手配、入出庫・請求などあらゆるジョブとともに、バックアップも含めてほぼ1日中ジョブが動いています。複雑なジョブも相当数あり、これらを従来通りの動作で安定して移行することが我々にとって大きな課題でした。」と金子氏は当時を振り返ります。

そこで検討したのが、メインフレームのころから数十年にわたって安定したジョブ管理を実現していたユニリタのジョブ管理ツール「A-AUTO」でした。「そもそも複雑に入り組んだジョブの構成1つを変えてしまうだけで、大きなリスクが伴います。隙間なく動いているジョブを組み直すこと自体が職人技の世界で、安定稼働が求められる環境においては、実績のある『A-AUTO』でないと難しいと判断したのです」と脇山氏。実行順番を制御するJOBNETを崩してしまうと問題が発生する恐れもあったため、そのままオープン環境へ移行することが求められたのです。

また、既存環境をストレートに移行することが基本方針だったため、運用している人材に対する教育面も考慮されたのです。「実は当社の基本的なジョブ管理基盤は他社製品で運用されています。しかし、今回のプロジェクトでその他社製品に移行することはリスクでしかありません。テスト工数や運用後のトラブルも考慮すると、既存環境を踏襲することが最良だと考えました」と脇山氏は説明します。実際には、Windows環境で運用している他社製品のジョブは、1日で100にも満たない小規模なもので、2万を超える桁違いのジョブが運用できるかどうか、品質面でも懸念されていたのです。

結果として、膨大なジョブ管理を実現してきた高い実績を誇るユニリタの「A-AUTO」が選択されることになったのです。

1日2万6000本ほど動くジョブの移行に成功、安定稼働を「A-AUTO」が支える

メインフレームにて構築されていた販売管理や工事台帳管理の仕組みは、数年かけてオープン系のプラットフォームへの移行が完了しており、ジョブの数も大きく変動なく従来の運用を踏襲した形でダウンサイジングに成功しています。特に販売管理に関しては、顧客からの注文を受けて、外部サプライヤーとの連携も踏まえた製造や調達、物流など各システムと連携しながら、お客さまに対して配送や請求までを担う仕組みとなっており、システム間でやり取りされる1日2万6000本あまりのジョブを円滑に実行するための管理基盤として「A-AUTO」が活躍しています。「おそらく『A-AUTO』がなければ、ジョブを再構築するための工数が膨大にかかってしまい、いまだに移行が終わっていない可能性すらあります。移行品質の高さを改めて実感しています」と脇山氏は評価します。




移行に関しては、999本までジョブが登録できるメインフレーム系の「A-AUTO」とは異なり、オーブン系の「A-AUTO」はジョブ登録の上限が少ないため、JOBNETの分割を余儀なくされました。そのため、システムテストを通じて動作検証を行う必要がありましたが、1日分の本番データを投入してジョブを動かしながら動作確認を継続して実施することで膨大なジョブの移行を実現することができました。「これだけのジョブがあれば移行時にもトラブルが起きることが想定されますが、『A-AUTO』に起因する不具合は発生していません。製品の完成度が高いだけでなく、製品開発を手掛けたメーカーであるユニリタから直接支援いただけたことは大きかった」と金子氏は評価します。

以前のメインフレームでのシステム環境では経験豊かな人材を確保することが難しい状況でしたが、オープン系に移行したことで、GUIでジョブ運用が管理できるようになるなど、運用の人材も増やすことができたことは大きいと評価します。システム監視についても、ホストの画面に張り付いて確認せざるを得なかった以前の環境から脱却し、システム監視の仕組みから自動的にログを取得し、チャットなどと連携させることで迅速にアラートが確認できるなど、オープン系に移行したことのメリットは大きいと評価されています。

「A-AUTO」に関しては、「メインフレーム時代から長期間にわたり安定した稼働を続けており、新たな機能を求める必要がないほど、充実した環境で利用できている」と金子氏は高く評価します。「オープン版の『A-AUTO』に移行したことで、ジョブの状況がグラフィカルに可視化され、それぞれの影響度合いも容易に可視化できます。万一ジョブが停止した場合も、画面を見ればすぐに問題を特定できるため、対処までのスピードも迅速です」と脇山氏からも好評です。

ユニリタについては、今回は資産の棚卸しからプロジェクトに参画し、ジョブ移行に必要な変換作業の委託をはじめ、テスト段階での特別なサポートも含めてさまざまな支援が得られたと語ります。「『A-AUTO』自体は昔から安定した品質だったことで、あまり心配していませんでした。それでも製品の中身を分かっているエンジニアをプロジェクトにアサインいただけて、とてもありがたかった」と金子氏。ユニリタの担当営業についても、製品に対する知見を持っており、何を聞いてもその場である程度のアクションが返ってくると高く評価します。

教育面でもユニリタの手厚い支援を高く評価しています。メインフレーム環境でジョブ管理を担当していた技術者にとっては、オープン系の仕組みは初めての挑戦で、慣れない環境への戸惑いが続いていました。そこで、移行後の運用についてユニリタに個別のトレーニングコンテンツでの講習会を依頼し、教育に関しても支援を受けました。「場面によってはトラブルの内容により、複数の復旧手順をどの順番で実施していくのか理解している必要があるため、これまでの運用担当者には新たな環境に一刻も早く適応してもらう必要がありました。そこで、既存の『A-AUTO』の知見をオープン系に活かすためのポイントなど、研修内容もわれわれのためにカスタマイズしてもらいながら学ぶ機会をつくっていただき、運用についてもうまく移行できたことに感謝しています」と脇山氏は評価します。

標準機能の活用でジョブを簡素化

現在は膨大なジョブ運用に関して安定稼働を続けていますが、オープン版の「A-AUTO」はメインフレーム版にくらべ、豊富な機能が提供されており、以前は個別に作成していたジョブが「A-AUTO」の標準機能で実現できる部分も少なくありません。「ジョブ自体が肥大化している部分もあり、無理に作り込んでいるものもあります。3,000ほどあるJOBNETを整理したうえで、標準機能で実装できるものに置き換えていきたい」と金子氏。

ユニリタの関連会社である株式会社ビーエスピーソリューションズからのコンサルティング支援も受けながら、製造系のシステムや発注システムなど老朽化したシステムを新たに刷新していくための支援についても期待を寄せていると最後に語っていただきました。


 
 

YKK AP株式会社

  • 創立 :1881年(明治14年)
  • 事業内容 :「窓」をはじめとする建築用プロダクツの提供により人々の快適な暮らしをサポート。現在は「住宅事業」「ビル事業」「エクステリア事業」「産業製品事業」「海外AP 事業」の分野でビジネスを展開。それら事業を通じて、気候変動対策などを含む様々な社会課題の解決への貢献も目指している。
  • 資本金 :140億円
  • 設立 :1957年7月22日
  • 従業員数 :12,802名 <17,143名> < >海外を含む ※2023年3月末
  • ホームページ : https://www.ykkap.co.jp/

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