クラウド環境のランニングコスト最適化を実現!|アビームシステムズ株式会社様

~AWS EC2インスタンスの起動・停止自動化によるコスト削減~
「ブラザー工業株式会社」のシステム会社として誕生したアビームシステムズ株式会社様(以下、アビームシステムズ)は、モノづくりで培った製造業におけるITノウハウと、グループ会社である「アビームコンサルティング株式会社」の体系化された豊富なコンサルティングノウハウを融合したサービスを提供しています。この2つの専門性を活かし、コンサルティングから開発・運用までをワンストップで手がける「協調型フルアウトソーシング」といった独自のビジネスモデルでサービスを提供しています。
その中でも、アビームグループのアウトソーシング遂行の中核企業として、様々な業種・業態のお客様にSAPを中心としたサービスを提供しています。
同社は、SAP環境の技術検証環境、また社員のスキルアップに向けた教育環境として、AWSを活用しており、ランニングコストを最適化するために「A-AUTO 50(エーオート フィフティー)」を採用し、AWSインスタンスの自動運用を行っています。
今回、「A-AUTO 50」を採用された経緯をプロジェクト推進グループ猪川氏にお伺いしました。
目次
導入製品・サービス
導入メリット
- クラウド環境のランニングコストを最適化
- 小規模利用であれば無料で、操作性に優れた高いユーザビリティ
- 日本と中国の異なる営業日それぞれに合わせたスケジュールで最適化を実現
経緯:ハードウェアの保守サポート切れをきっかけにクラウドを利用
今回はクラウド環境の制御に「A-AUTO 50」を活用した事例をお伺いします。AWSを活用するきっかけはどのような経緯があったのでしょうか?
2011年に、ハードウェアの保守サポート期限終了が到来した際に、「ITコストの最適化」と「柔軟性・俊敏性の向上」を目的にクラウド環境への切替えを検討した上で利用を開始しました。利用開始にあたっては、クラウド環境を利用するメリットを明確にしました。
- CPU・メモリ・ディスク容量の拡張の自由度があったので、余分なハードウェア・リソースを持たなくて良い
- 様々な環境が容易・安価・スピーディに構築可能である
また、当時AWSを採用した理由としては、以下の2つが大きかったです。
- セキュリティレベルが非常に高く、グローバルで最も評価されているクラウドベンダーであったこと
- インスタンスの稼働時間を制御することによって、AWSを3年間利用し続けたときのトータル・コストがオンプレミスでサーバを利用した場合と同程度に抑えることができると判断できたこと
課題:タスクスケジューラは簡易スケジューラ
「A-AUTO 50」を導入されるまではインスタンスの起動・停止をどのように自動化されていたのでしょうか?

アビームシステムズ株式会社
執行役員
猪川 正巳 氏
稼働時間を制御するインスタンスは、社員がお客様先で構築するSAPシステムの技術検証や社員自身のスキルアップのために利用する環境となっています。当初インスタンスの自動起動・停止には、Windowsのタスク スケジューラを利用していました。毎週月曜日~金曜日8:00~24:00の間でインスタンスを起動するよう自動化していました。1日の3分の1(月間だと2分の1)は停止させることにより、その分従量課金のコストを削減することができていました。
しかしながら、タスクスケジューラはジョブ管理ツールではないため、単純なスケジュールしか組むことができません。本来、会社の営業日を加味したインスタンスの稼働制御が行えることが理想でしたが、そこまでの最適化には至っていませんでした。
ツールの選定:複数の製品の中から、小規模利用であれば「無料」であったことと、「操作性の高さ」で「A-AUTO 50」を採用
「A-AUTO 50」を採用するうえで重視されたポイントについてお聞かせください。
更なるコスト削減を行うことが目的でツールを探しました。このため、イニシャルコストはもちろんランニングコストも含めて無料であることが前提でした。
様々なジョブ管理ツールを探していた中で「A-AUTO 50」を見つけ、すぐに試してみました。
もちろん、他のオープンソースソフトウェア(以下、OSS)ツールも候補として考えましたが、インストールに制約があったり、操作が分かりづらいといった点で候補から外れました。特に昨年はOSSの脆弱性による深刻な問題が世間で次々に発表されたこともあり、会社としてOSSの利用はなるべく避けたいという思いもありました。
その点「A-AUTO 50」は、パッケージソフトウェアメーカーが商用版として販売している製品をそのままに無料で利用できると言う点で、信頼性においても問題無いと考えました。
実際「A-AUTO 50」を試使用してみたところ、数クリックでインストールが完了し、すぐに利用を開始することが出来ました。また、インスタンスの起動・停止用業務の登録からスケジュール・実行までも、特に問題なく利用することができました。特にスケジュール調整を行う画面の操作性は直感的でわかり易く、私自身が気に入りすぐに利用を決めました。
社内検証環境システム構成
効果:日本と中国の異なる営業日それぞれに合わせたスケジュールで最適化
導入効果についてお聞かせください。
弊社では、日本と中国に拠点があります。このため、日本の営業日と中国の営業日それぞれに合わせてスケジュールすることができれば、更なるコスト削減が図れると考えていました。「A-AUTO 50」では複数のカレンダーを作成することで、日本・中国それぞれの営業日を登録し、AWSのインスタンス起動・停止制御を完全自動化でき、コストの最適化を図ることができました。祝日や年末年始など約20日間ありますので、その分のコスト削減が「A-AUTO 50」によって簡単に実現出来ました。また、今回はクラウドの従量課金という料金体系に対応したジョブスケジューラとしての新しい使い方ができたのではないかと考えています。このように、ピンポイントの用途での利用でも十分に効果を出していけると考えます。
要望:より長く利用し続けていくためには
「A-AUTO 50」をご利用中気になる点はありますか?
無料製品なので、現在公開している「コミュニティ」の活用と「使い方ガイド」で十分だと考えています。『業務量が増えた』、『サポートが必要だ』という利用者の方は、通常のA-AUTOを利用されれば良いと考えています。
しいて言えば、初めて「A-AUTO 50」を利用する人がつまずきそうな用語の説明を充実して欲しいとは思います。私も「フリーオン」や「キュー内キャンセル」などの専門用語(※)は、初めて利用していった際にちょっと分かりづらかったですね。せっかく良いものを提供していただいているので、より利用し易くなるよう改善していただければと思います。より多くの方に利用されることが、より長く「A-AUTO 50」を使い続けられることに繋がると考えていますので。
※現在は、「用語集」や「こんなときは」といった説明を“使い方ガイド”にて追加・公開しています
社内検証環境の自動運用 A-AUTO 50
アビームシステムズ株式会社
- 設 立:1983年
- 従業員数:536名(2015年4月現在(連結))
- 事業内容:業務システム及びインフラのコンサルテーション・企画立案・開発・保守、技術開発システム(ハード/メカ設計支援)の企画立案・開発・保守、組込み制御ソフトウェア開発
- ホームページ:http://www.abeam-s.com/

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